写真とことばで、旅をする。

旅のエッセイ

京都府 伊根町

京都北部の漁師町「伊根町」で暮らしてみた

伊根の舟屋で、海と暮らす

日本海側の京都で、海の幸を食べ尽くした一日。

映像公開 60 枚の写真

旅を読みはじめる
高台から見下ろす青い湾と舟屋群、横切る遊覧船
高台から見下ろす青い湾と舟屋群、横切る遊覧船INE, KYOTO

この旅のこと

京都府の北部、伊根湾に沿って舟屋が軒を連ねる漁師町で一日を過ごした。舟屋の中を見学し、舟屋を改装した喫茶店でみたらし団子を食べ、湾を見渡す高台で鯛丼。港の市場で京都産の魚介を買って帰り、夜は網焼きとカワハギご飯。日本海側の京都で、海と暮らした一日。

土地と食のことを、もう少し

01TRAVEL JOURNAL

舟屋の町へ

京都府の北部に位置する漁業の町、伊根町。伊根湾に沿って、一階が舟置き場、二階が居住区という独特な建物「舟屋」が、約230軒も立ち並んでいる。

湾を見渡すと、緑の山を背にした舟屋が、水際ぎりぎりに軒を連ねていた。その前を、遊覧船や漁船がゆっくりと行き交う。舟屋の戸口の向こうには、湾の入口に浮かぶ青島が見えた。

山側の路地を歩く。板壁の家並みの間を、スクーターが一台走り抜けていった。干しなまこ丼ののぼりが立つ食堂の前を過ぎ、舟屋の裏手から、また湾へ出る。

この場面から映像で見る0:20
山に囲まれた伊根湾と、岸に連なる舟屋の遠景
01山に囲まれた伊根湾と、岸に連なる舟屋の遠景
舟屋の前を通る遊覧船と、岸辺に座る人たち
02舟屋の前を通る遊覧船と、岸辺に座る人たち
水際に建つ舟屋と、停泊する漁船
03水際に建つ舟屋と、停泊する漁船
緑の山を背に軒を連ねる舟屋の家並み
04緑の山を背に軒を連ねる舟屋の家並み
舟屋の戸口の向こうに見える海と青島
05舟屋の戸口の向こうに見える海と青島
板壁の家が並ぶ山側の路地
06板壁の家が並ぶ山側の路地
家並みの間の道を走るスクーター
07家並みの間の道を走るスクーター
干しなまこ丼ののぼりが立つ食堂の店先
08干しなまこ丼ののぼりが立つ食堂の店先
湾の向こうに並ぶ舟屋と、手前の竹林
09湾の向こうに並ぶ舟屋と、手前の竹林
舟屋の裏手の路地を歩く後ろ姿
10舟屋の裏手の路地を歩く後ろ姿

02TRAVEL JOURNAL

舟屋の中を見学

伊根の舟屋はほとんどが個人の住まいだが、気になる屋内を見せてくれる舟屋がある。暗い戸口をくぐると、天井の梁からロープや浮きが下がり、壁には櫂や浮き玉が掛かっていた。

昔使われていた漁具や、船を間近で見学できる。古い写真や地図の間に、鯨銛やしめ桶の説明札が並ぶ。

船の脇のベンチに腰かけると、目の前がそのまま海だった。海から見れば、洗濯物の揺れる舟屋の一階は、水面に向かって開いている。漁師町である伊根の暮らしを、垣間見る時間。

この場面から映像で見る0:48
舟屋の暗い戸口へ入っていく後ろ姿
11舟屋の暗い戸口へ入っていく後ろ姿
梁から下がるロープと、壁に掛かった櫂や浮き
12梁から下がるロープと、壁に掛かった櫂や浮き
古い写真や地図、鯨銛が並ぶ舟屋の壁
13古い写真や地図、鯨銛が並ぶ舟屋の壁
海から見た舟屋と、一階に干された洗濯物
14海から見た舟屋と、一階に干された洗濯物
浮き玉越しに見る、光る海と対岸の山
15浮き玉越しに見る、光る海と対岸の山
舟屋の中、船の脇のベンチに座って海を眺める後ろ姿
16舟屋の中、船の脇のベンチに座って海を眺める後ろ姿

03TRAVEL JOURNAL

舟屋を改装した喫茶店で

舟屋を改装した喫茶店にも立ち寄ろう。のれんをくぐると、天井から浮き玉のランプが下がり、床の向こうはそのまま海だった。

京都産米を使った手作りみたらし団子と聞いては、致し方ない。緑茶の盆と団子の皿を、海際の席へ運ぶ。湾の入口に青島が浮かび、波の音だけが聞こえていた。

この場面から映像で見る1:16
紫ののれんが掛かった喫茶店の入口
17紫ののれんが掛かった喫茶店の入口
浮き玉のランプが下がる海際の席に立つ後ろ姿
18浮き玉のランプが下がる海際の席に立つ後ろ姿
緑茶の盆の横に、みたらし団子の皿を置く手元
19緑茶の盆の横に、みたらし団子の皿を置く手元
木の盆にのった緑茶の湯のみ
20木の盆にのった緑茶の湯のみ
海に開いた席から湾を眺める後ろ姿
21海に開いた席から湾を眺める後ろ姿
INE の木の文字と湯のみ、団子の皿を持つ手と青島
22INE の木の文字と湯のみ、団子の皿を持つ手と青島

04TRAVEL JOURNAL

高台で、鯛丼の昼ごはん

この景色を見渡せる高台で昼食にしよう。湾を囲む山並みと、水際に連なる舟屋の屋根。遊覧船が白い航跡を引いて、湾を横切っていく。

伊根の真鯛とコシヒカリの「鯛丼」。薄切りの鯛に刻んだ大葉がのり、真ん中に卵の黄身。醤油を回しかけ、黄身を崩して混ぜる。ノンアルコールのビールを注いで、木のテラスから海を見ながらいただく。

身が引き締まっていて、これは旨い。伊根、いいね。

この場面から映像で見る1:35
高台のベンチに座り、湾と舟屋群を見下ろす
23高台のベンチに座り、湾と舟屋群を見下ろす
高台から見た伊根湾と、緑の山
24高台から見た伊根湾と、緑の山
高台から見下ろす青い湾と舟屋群、横切る遊覧船
25高台から見下ろす青い湾と舟屋群、横切る遊覧船
黄身をのせた鯛丼に醤油をかける手元
26黄身をのせた鯛丼に醤油をかける手元
箸で卵の黄身を崩す、鯛丼の寄り
27箸で卵の黄身を崩す、鯛丼の寄り
海を背に、グラスにノンアルコールビールを注ぐ
28海を背に、グラスにノンアルコールビールを注ぐ
木のテラスの膳と瓶、丼を手に食べる姿
29木のテラスの膳と瓶、丼を手に食べる姿
逆光のシルエットで丼を持ち上げる、向こうに湾
30逆光のシルエットで丼を持ち上げる、向こうに湾

05TRAVEL JOURNAL

港の市場で、夕食の買い物

夕食の買い物をして帰ろう。漁船の並ぶ港の脇に、京都産の海産物がずらりと並ぶ市場があった。

氷の上には、京都府産の甘鯛にノドグロ、イサキ。緑のかごには一夜干しが並び、トレイにはサザエが8個で1,100円。店の人が手際よく袋に詰めて、量りにのせてくれる。晩御飯も新鮮な魚介類で決まりだ。

この場面から映像で見る2:08
港に並ぶ白い漁船と救命浮き輪
31港に並ぶ白い漁船と救命浮き輪
漁具の積まれた港の岸壁と、白い建物
32漁具の積まれた港の岸壁と、白い建物
氷の上に並ぶ京都府産の甘鯛、ノドグロ、イサキと値札
33氷の上に並ぶ京都府産の甘鯛、ノドグロ、イサキと値札
魚を袋に詰める店の人の手元
34魚を袋に詰める店の人の手元
緑のかごに並んだ一夜干しの魚
35緑のかごに並んだ一夜干しの魚
かごの一夜干しに手を伸ばす
36かごの一夜干しに手を伸ばす
トレイに盛られたサザエと「8ヶ 1,100」の値札
37トレイに盛られたサザエと「8ヶ 1,100」の値札
袋に入れた貝を量りにのせて会計する手元
38袋に入れた貝を量りにのせて会計する手元

06TRAVEL JOURNAL

ただいま。カワハギご飯を炊く

古民家に戻って、ただいま。湾を囲む山の向こうに日が落ちて、舟屋の並びが夕暮れの色に沈んでいく。防波堤の先では、釣り人が竿を出していた。

台所で、皮を剥いだカワハギを鍋に入れる。米と水を加えて火にかけ、煮立ったところに調味料を回し入れる。炊きあがった鍋のふたを開けると、白い身がふっくらと米の上にのっていた。

身をほぐして混ぜ、茶碗によそって刻みねぎを散らす。隣には、イサキの刺身を盛った皿。

この場面から映像で見る2:30
夕方の光の中、古民家の玄関へ向かう後ろ姿
39夕方の光の中、古民家の玄関へ向かう後ろ姿
カーブミラーと木の向こうに見える夕暮れの舟屋
40カーブミラーと木の向こうに見える夕暮れの舟屋
夕暮れの海と、防波堤の先で釣りをする人影
41夕暮れの海と、防波堤の先で釣りをする人影
夕暮れの色に沈む舟屋の並びと、手前のいけす
42夕暮れの色に沈む舟屋の並びと、手前のいけす
鍋に皮を剥いだカワハギを入れる手元
43鍋に皮を剥いだカワハギを入れる手元
米と水を張った鍋に並べたカワハギ
44米と水を張った鍋に並べたカワハギ
ふたを少しずらして煮立つ鍋
45ふたを少しずらして煮立つ鍋
おたまで鍋に調味料を加える
46おたまで鍋に調味料を加える
炊きあがったカワハギご飯、米の上の白い身
47炊きあがったカワハギご飯、米の上の白い身
ねぎを散らしたカワハギご飯と、イサキの刺身の皿
48ねぎを散らしたカワハギご飯と、イサキの刺身の皿

07TRAVEL JOURNAL

海鮮の網焼きと、日本海側の京都

京都の海の幸づくしのスタート。卓上のコンロに網をのせ、サザエとハマグリにノドグロ。メインは海鮮BBQだ。カワハギご飯にイサキのお刺身も並ぶ。

炎が上がり、貝がぱちぱちと鳴る。ハマグリが口を開けて、汁がこぼれた。網焼きの貝っていいよね。身を取り出す手間が省けた。

畳の間で、ひとりの食卓を囲む。「京都」と聞けば「京の都」の印象が強いけど、日本海側の京都もまた違った魅力に溢れている。ほんに、よろしおすな。

この場面から映像で見る3:00
卓上のコンロにのせた焼き網
49卓上のコンロにのせた焼き網
ハマグリとサザエの隣に、ノドグロを網にのせる手元
50ハマグリとサザエの隣に、ノドグロを網にのせる手元
箸でつまんだイサキの刺身と、奥のグラス
51箸でつまんだイサキの刺身と、奥のグラス
炎の上がる網の上のハマグリ、ノドグロ、サザエ
52炎の上がる網の上のハマグリ、ノドグロ、サザエ
煙の立つ網の上の貝と魚をトングで返す
53煙の立つ網の上の貝と魚をトングで返す
焼き目のついたノドグロと、網の上のハマグリ
54焼き目のついたノドグロと、網の上のハマグリ
口を開けたハマグリの寄り
55口を開けたハマグリの寄り
口を開けたハマグリと、隣で焼けるサザエ
56口を開けたハマグリと、隣で焼けるサザエ
炭火の網の上のサザエと、殻の開いたハマグリ
57炭火の網の上のサザエと、殻の開いたハマグリ
障子の向こう、畳の間で食卓につく後ろ姿
58障子の向こう、畳の間で食卓につく後ろ姿
コンロの上の貝と鍋、瓶が並ぶ夜の食卓
59コンロの上の貝と鍋、瓶が並ぶ夜の食卓
茶碗を手に、古民家の食卓でくつろぐ
60茶碗を手に、古民家の食卓でくつろぐ

THE JOURNEY IN FILM

風の音も、台所の音も。

写真の向こうに流れていた時間を、映像でも。

映像で見る4分

THE BORROWER’S NOTES

借り暮らしの京都・伊根メモ。

立ち寄った店、台所で作ったもの、この土地のこと。旅のつづきに、覚えておきたいことを。

01立ち寄った店

  • 伊根の舟屋 雅

    伊根の舟屋 雅

    京都府与謝郡伊根町字平田552

    80年ほど前に建てられた舟屋を茶屋風に改装した和カフェ。海に向かって開いた席で、京都産の米で作ったみたらし団子と緑茶をいただいた。宿も兼ねている。

    出典: rurubu.jp mapple.net

  • 伊根湾を見渡す高台の食事処

    伊根湾を見渡す高台の食事処

    木のテラスから伊根湾と舟屋群を見渡せる。伊根の真鯛とコシヒカリの鯛丼に、ノンアルコールのビール。

  • 港の魚市場

    港の魚市場

    漁船の並ぶ港の脇で、京都府産の魚介を量り売りしている。甘鯛、ノドグロ、イサキ、一夜干し、サザエにハマグリ。

02作った料理

  • カワハギご飯

    カワハギご飯

    港の市場で買った京都府産の魚で作った炊き込みご飯。皮を剥いだカワハギを丸ごと米と一緒に炊き、炊きあがってから身をほぐして混ぜる。

    材料米・カワハギ(皮を剥いだもの)・調味料・刻みねぎ

    1. 鍋に皮を剥いだカワハギと米、水を入れて火にかける
    2. 煮立ったら調味料を回し入れ、炊きあげる
    3. 身をほぐして混ぜ、茶碗によそって刻みねぎを散らす
  • 海鮮の網焼き

    海鮮の網焼き

    市場で買った魚介を、そのまま網にのせて焼く。貝は口が開けば食べごろで、身を取り出す手間が省ける。

    材料サザエ・ハマグリ・ノドグロ

    1. 卓上のコンロに網をのせ、貝と魚を並べる
    2. 貝の口が開き、魚に焼き目がついたら食べる

03土地のこと

  • 伊根浦の舟屋群

    伊根浦の舟屋群

    伊根湾の約5キロの海岸に、約230軒の舟屋が並ぶ。1階は船を海から引き上げて収納する場所で、2階はかつて網の干し場や漁具置き場、のちに居室として使われてきた。海の真横に舟屋を建て始めたのは18世紀からで、現存する最古の舟屋は19世紀半ばのもの。2005年7月22日、漁村として初めて国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。伊根湾は日本海にありながら南向きに開いていて、一年を通じて波が穏やか。

    出典: ine-kankou.jp mlit.go.jp maff.go.jp ja.wikipedia.org

  • 青島

    青島

    伊根湾の入口に浮かぶ無人島で、「神の宿る島」と呼ばれる。島が自然の防波堤の役割を果たして湾内の波が穏やかなことから、舟屋の文化が発展したともいわれる。舟屋の戸口や喫茶店の席から、正面に見えた。

    出典: gltjp.com

  • 見学できる舟屋

    見学できる舟屋

    伊根の舟屋はほとんどが個人の住まいだが、中を見せてくれる舟屋がある。1階には昔の漁具や浮き玉、鯨銛、古い写真や地図が並び、船の脇から海へ開けている。

  • 舟屋の町の古民家

    舟屋の町の古民家

    今回お借りしたのは、舟屋の町にある古民家。夕方に帰ると、玄関の前に夕日が差していた。畳の間で、卓上のコンロを囲んで海の幸を焼いた。

ほかの旅のメモも見る

PHOTO ALBUM写真を見渡す60全写真をひらく一覧を閉じる

写真を選ぶと、大きな画面で一枚ずつ眺められます。

01舟屋の町へ

02舟屋の中を見学

03舟屋を改装した喫茶店で

04高台で、鯛丼の昼ごはん

05港の市場で、夕食の買い物

06ただいま。カワハギご飯を炊く

07海鮮の網焼きと、日本海側の京都