
この旅のこと
京都府の北部、伊根湾に沿って舟屋が軒を連ねる漁師町で一日を過ごした。舟屋の中を見学し、舟屋を改装した喫茶店でみたらし団子を食べ、湾を見渡す高台で鯛丼。港の市場で京都産の魚介を買って帰り、夜は網焼きとカワハギご飯。日本海側の京都で、海と暮らした一日。
土地と食のことを、もう少し01TRAVEL JOURNAL
舟屋の町へ
京都府の北部に位置する漁業の町、伊根町。伊根湾に沿って、一階が舟置き場、二階が居住区という独特な建物「舟屋」が、約230軒も立ち並んでいる。
湾を見渡すと、緑の山を背にした舟屋が、水際ぎりぎりに軒を連ねていた。その前を、遊覧船や漁船がゆっくりと行き交う。舟屋の戸口の向こうには、湾の入口に浮かぶ青島が見えた。
山側の路地を歩く。板壁の家並みの間を、スクーターが一台走り抜けていった。干しなまこ丼ののぼりが立つ食堂の前を過ぎ、舟屋の裏手から、また湾へ出る。
この場面から映像で見る0:2002TRAVEL JOURNAL
舟屋の中を見学
伊根の舟屋はほとんどが個人の住まいだが、気になる屋内を見せてくれる舟屋がある。暗い戸口をくぐると、天井の梁からロープや浮きが下がり、壁には櫂や浮き玉が掛かっていた。
昔使われていた漁具や、船を間近で見学できる。古い写真や地図の間に、鯨銛やしめ桶の説明札が並ぶ。
船の脇のベンチに腰かけると、目の前がそのまま海だった。海から見れば、洗濯物の揺れる舟屋の一階は、水面に向かって開いている。漁師町である伊根の暮らしを、垣間見る時間。
この場面から映像で見る0:4803TRAVEL JOURNAL
舟屋を改装した喫茶店で
舟屋を改装した喫茶店にも立ち寄ろう。のれんをくぐると、天井から浮き玉のランプが下がり、床の向こうはそのまま海だった。
京都産米を使った手作りみたらし団子と聞いては、致し方ない。緑茶の盆と団子の皿を、海際の席へ運ぶ。湾の入口に青島が浮かび、波の音だけが聞こえていた。
この場面から映像で見る1:1604TRAVEL JOURNAL
高台で、鯛丼の昼ごはん
この景色を見渡せる高台で昼食にしよう。湾を囲む山並みと、水際に連なる舟屋の屋根。遊覧船が白い航跡を引いて、湾を横切っていく。
伊根の真鯛とコシヒカリの「鯛丼」。薄切りの鯛に刻んだ大葉がのり、真ん中に卵の黄身。醤油を回しかけ、黄身を崩して混ぜる。ノンアルコールのビールを注いで、木のテラスから海を見ながらいただく。
身が引き締まっていて、これは旨い。伊根、いいね。
この場面から映像で見る1:3505TRAVEL JOURNAL
港の市場で、夕食の買い物
夕食の買い物をして帰ろう。漁船の並ぶ港の脇に、京都産の海産物がずらりと並ぶ市場があった。
氷の上には、京都府産の甘鯛にノドグロ、イサキ。緑のかごには一夜干しが並び、トレイにはサザエが8個で1,100円。店の人が手際よく袋に詰めて、量りにのせてくれる。晩御飯も新鮮な魚介類で決まりだ。
この場面から映像で見る2:0806TRAVEL JOURNAL
ただいま。カワハギご飯を炊く
古民家に戻って、ただいま。湾を囲む山の向こうに日が落ちて、舟屋の並びが夕暮れの色に沈んでいく。防波堤の先では、釣り人が竿を出していた。
台所で、皮を剥いだカワハギを鍋に入れる。米と水を加えて火にかけ、煮立ったところに調味料を回し入れる。炊きあがった鍋のふたを開けると、白い身がふっくらと米の上にのっていた。
身をほぐして混ぜ、茶碗によそって刻みねぎを散らす。隣には、イサキの刺身を盛った皿。
この場面から映像で見る2:3007TRAVEL JOURNAL
海鮮の網焼きと、日本海側の京都
京都の海の幸づくしのスタート。卓上のコンロに網をのせ、サザエとハマグリにノドグロ。メインは海鮮BBQだ。カワハギご飯にイサキのお刺身も並ぶ。
炎が上がり、貝がぱちぱちと鳴る。ハマグリが口を開けて、汁がこぼれた。網焼きの貝っていいよね。身を取り出す手間が省けた。
畳の間で、ひとりの食卓を囲む。「京都」と聞けば「京の都」の印象が強いけど、日本海側の京都もまた違った魅力に溢れている。ほんに、よろしおすな。
この場面から映像で見る3:00THE BORROWER’S NOTES
借り暮らしの京都・伊根メモ。
立ち寄った店、台所で作ったもの、この土地のこと。旅のつづきに、覚えておきたいことを。
01立ち寄った店

伊根の舟屋 雅
京都府与謝郡伊根町字平田552
80年ほど前に建てられた舟屋を茶屋風に改装した和カフェ。海に向かって開いた席で、京都産の米で作ったみたらし団子と緑茶をいただいた。宿も兼ねている。
出典: rurubu.jp mapple.net

伊根湾を見渡す高台の食事処
木のテラスから伊根湾と舟屋群を見渡せる。伊根の真鯛とコシヒカリの鯛丼に、ノンアルコールのビール。

港の魚市場
漁船の並ぶ港の脇で、京都府産の魚介を量り売りしている。甘鯛、ノドグロ、イサキ、一夜干し、サザエにハマグリ。
02作った料理

カワハギご飯
港の市場で買った京都府産の魚で作った炊き込みご飯。皮を剥いだカワハギを丸ごと米と一緒に炊き、炊きあがってから身をほぐして混ぜる。
材料米・カワハギ(皮を剥いだもの)・調味料・刻みねぎ
- 鍋に皮を剥いだカワハギと米、水を入れて火にかける
- 煮立ったら調味料を回し入れ、炊きあげる
- 身をほぐして混ぜ、茶碗によそって刻みねぎを散らす

海鮮の網焼き
市場で買った魚介を、そのまま網にのせて焼く。貝は口が開けば食べごろで、身を取り出す手間が省ける。
材料サザエ・ハマグリ・ノドグロ
- 卓上のコンロに網をのせ、貝と魚を並べる
- 貝の口が開き、魚に焼き目がついたら食べる
03土地のこと

伊根浦の舟屋群
伊根湾の約5キロの海岸に、約230軒の舟屋が並ぶ。1階は船を海から引き上げて収納する場所で、2階はかつて網の干し場や漁具置き場、のちに居室として使われてきた。海の真横に舟屋を建て始めたのは18世紀からで、現存する最古の舟屋は19世紀半ばのもの。2005年7月22日、漁村として初めて国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。伊根湾は日本海にありながら南向きに開いていて、一年を通じて波が穏やか。

青島
伊根湾の入口に浮かぶ無人島で、「神の宿る島」と呼ばれる。島が自然の防波堤の役割を果たして湾内の波が穏やかなことから、舟屋の文化が発展したともいわれる。舟屋の戸口や喫茶店の席から、正面に見えた。
出典: gltjp.com

見学できる舟屋
伊根の舟屋はほとんどが個人の住まいだが、中を見せてくれる舟屋がある。1階には昔の漁具や浮き玉、鯨銛、古い写真や地図が並び、船の脇から海へ開けている。

舟屋の町の古民家
今回お借りしたのは、舟屋の町にある古民家。夕方に帰ると、玄関の前に夕日が差していた。畳の間で、卓上のコンロを囲んで海の幸を焼いた。
PHOTO ALBUM写真を見渡す60全写真をひらく一覧を閉じる
写真を選ぶと、大きな画面で一枚ずつ眺められます。


















































