
この旅のこと
富士山と淡島を望む、海沿いの静かな町の古民家で朝を迎えた。竹皮に包んだおにぎりを海辺で食べ、沼津港で名物のアジの干物を買い、海の見える喫茶店で昼ごはん。夜は市場で買ったマグロと生しらすで、初めての握り寿司に挑んだ。富士山と漁港の町、沼津で過ごした一日。
土地と食のことを、もう少し01TRAVEL JOURNAL
竹皮に包むお弁当
静岡県沼津市。海沿いの静かな町の古民家で、朝を迎えた。土鍋で炊きあがったご飯を手に取り、熱いうちにぎゅっと握る。
台所のテーブルに竹の皮を広げて、卵焼きを並べ、握りたてのおにぎりを添える。きゅうりの漬物も少し。端を折り込んで竹皮で包み、紐で結べば、お弁当のできあがり。富士山を眺めながら、朝食にしよう。
この場面から映像で見る0:2802TRAVEL JOURNAL
富士山を眺めながら朝食
お弁当を提げて、港沿いの道を歩く。「止まれ」の標識の先に、海に浮かぶ淡島と、その向こうに雪をかぶった富士山が見えた。
海辺に腰を下ろし、膝の上で竹皮の包みをほどく。おにぎりに卵焼き、きゅうりの漬物。雲の上に頭を出した富士山を眺めながら、ひとつずつほおばった。カップのコーヒーを片手に、しばらく海を眺める。
すぐそばには「長浜」のバス停。防波堤の向こうに、淡島がどっしりと浮かんでいた。
この場面から映像で見る0:4403TRAVEL JOURNAL
築70年の古民家
古民家に戻って、ただいま。板壁にガラス戸の家で、築70年の伝統的な日本家屋だという。
本棚には本や画集が並び、ギターが立てかけてある。額に入った肖像写真、障子、古い箪笥。食器棚には、グラスやカップが静かに並んでいた。富士山の眺めがある暮らし。
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駿河湾の海の幸が集まる沼津港
午後は買い物に出かけた。アーケードの商店街の向こうに、富士山が大きくそびえている。
駿河湾の海の幸が集まる沼津港。「漁師めし食堂」「干物」と書かれた看板が並び、店先にはふぐの飾りが吊るされている。箱の積まれた市場のアーケードを抜けると、「沼津港 魚河岸割烹 さかなや千本一」の看板の下に、干物の台が出ていた。
「真アジ干 4枚」「金目干 2枚」「イカ一夜干」。手書きの値札がずらりと並び、静岡らしい「手作り黒はんぺん」の札もある。名物のアジの干物を買って帰ろう。地元のお店の雰囲気、好きだな。
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アニメに出てきそうな喫茶店でランチ
昼ごはんは、海沿いの喫茶店へ。「海のステージ。」の看板のそばで、北欧の国旗がはためいている。沼津は、人気アニメの聖地でもある。店内にはアニメのポスターが飾られ、入口のホワイトボードにはキャラクターの絵が描かれていた。
運ばれてきたのは、黄色いピラフにとろりとした茶色いソースと揚げ玉ねぎがかかった一皿。アニメに出てきそうなお店で、喫茶店ランチ。おいしい、そして楽しい。店の庭の木陰を抜けると、白いテーブルの向こうに海が広がっていた。
この場面から映像で見る2:1906TRAVEL JOURNAL
深海プリンと、シアワセな午後
家に戻って、コーヒーを淹れる。赤いホーローのやかんを火にかけ、手回しのミルで豆を挽く。ドリッパーに粉を入れて湯を注ぐと、サーバーにぽたぽたとコーヒーが落ちていった。
窓辺のカウンターにはトースターとドリッパー。丸い盆に、緑のカップと小さな瓶をのせる。瓶の中身は、日本一深い海「駿河湾」をモチーフにした、綺麗なブルーの深海プリン。ふたを開けると、青いジュレの下に濃い黄色のプリンが見えた。
スプーンで青いジュレをすくう。爽やかなラムネ味と濃厚なプリンがよく合う。コーヒーを飲みながら、窓辺の籐の椅子でひと休み。シアワセな午後。
この場面から映像で見る2:50

















07TRAVEL JOURNAL
夕暮れの富士山
夕暮れ、空が桃色に染まり、富士山と淡島が影絵のように浮かんだ。海面には、小さな浮きが点々と列をなしている。日が落ちると、古民家の窓に明かりがともった。
この場面から映像で見る3:5208TRAVEL JOURNAL
市場で買った魚で、寿司を握る
晩ごはんの支度。買ってきたアジの干物を網にのせて焼く。そして今夜は、市場で買った魚で寿司を握ってみよう。
白い皿を前に、手を構える。皮目を残した白身のネタをシャリにのせて、そっと皿に置く。ヘイ、お待ち。次はマグロ。沼津は、美味しいマグロが安く手に入る。
海苔を巻いたシャリに、刻んだマグロと青ねぎをのせてネギトロの軍艦に。名物の生しらすも、スプーンですくって軍艦巻きにした。
この場面から映像で見る4:0509TRAVEL JOURNAL
沼津セットで、ごきげんな夕食
カウンター越しに皿を運んで、沼津セットの出来上がり。白身とマグロの握りに、ネギトロと生しらすの軍艦。カニの入った味噌汁は、サービスしておくね。
「龍馬1865」のノンアルコールビールをグラスに注いで、沼津の夜にカンパイ。初めて握った寿司は大成功とはいかなかったけれど、とても楽しく、おいしかった。
生しらすの軍艦をほおばり、焼いたアジの干物を箸でほぐす。富士山と漁港の町、沼津。一度で二度、楽しめる町だ。
この場面から映像で見る4:49THE BORROWER’S NOTES
借り暮らしの沼津メモ。
立ち寄った店、台所で作ったもの、この土地のこと。旅のつづきに、覚えておきたいことを。
01立ち寄った店

シーサイドカフェ 海のステージ。
静岡県沼津市西浦木負768-9
内浦湾に面した喫茶店で、海と富士山を見渡せる。店内には「ラブライブ!サンシャイン!!」のポスターが飾られ、庭の木陰を抜けると海辺に白いテーブルがある。食べたのは、黄色いピラフに茶色いソースと揚げ玉ねぎをかけた一皿。メニューは変わるので、行く前に確かめてほしい。
出典: at-s.com

沼津港の干物店
沼津港の通りに面した店先に、手書きの値札を立てた干物の台が出ている。真アジの干物、金目鯛の干物、サバの文化干し、イカの一夜干しに、手作りの黒はんぺん。ここで名物のアジの干物を買って帰った。
02作った料理

竹皮のおにぎり弁当
握りたてのおにぎりを卵焼ときゅうりの漬物と一緒に竹皮に包んで、海辺へ持ち出した。内浦長浜の海辺に座り、富士山と淡島を眺めながら食べた朝ごはん。
材料ご飯・卵(卵焼き)・きゅうりの漬物
- 炊きたてのご飯を、熱いうちに握る
- 広げた竹皮に卵焼きとおにぎり、漬物を並べる
- 竹皮で包み、紐で結ぶ

沼津セット(握り寿司と軍艦巻き)
沼津港は駿河湾の魚が集まる港で、水揚げされたばかりの魚介を味わえる飲食店街がある。市場で買ったマグロと白身の魚、名物の生しらすで、沼津の夜の食卓をつくった。初めて握った寿司は大成功とはいかなかったが、とても楽しく、おいしかった。
材料酢飯・マグロ・皮目を残した白身の魚・刻んだマグロと青ねぎ(ネギトロ)・生しらす・海苔
- シャリを握り、白身とマグロのネタをのせる
- シャリに海苔を巻いて軍艦にし、ネギトロをのせる
- 生しらすをスプーンですくって軍艦にのせる
03土地のこと

淡島
内浦湾と江浦湾の境に浮かぶ、駿河湾の小さな島。海底火山の火道が隆起して削られた火山岩頸で、面積0.165平方キロ、周囲2.2キロ、最高地点は137メートル。島全体の住所は沼津市内浦重寺。この回では、内浦長浜の海辺から眺めた。
出典: ja.wikipedia.org

駿河湾
最も深い地点で水深2,500メートルの、日本一深い湾。湾内にはフィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界「駿河トラフ」が通っている。この深さをモチーフにしたのが、青い深海プリンだ。
出典: pref.shizuoka.jp

沼津港
駿河湾の海の幸が集まる港。水揚げされたばかりの魚介を味わえる飲食店街があり、干物などの土産物店も並ぶ。沼津魚市場INOでは2階の通路からセリを見学でき、港には日本最大級の水門「びゅうお」や、深海水族館がある。

沼津のアジの干物
静岡県はあじの塩干品の生産量が全国1位で、2021年は9,369トン、全国の42%を占めた。主な産地は沼津市・熱海市・伊東市。沼津港の店先には、手書きの値札を立てた干物の台が並ぶ。この日は買って帰った干物を網で焼いて、寿司と一緒に食べた。

沼津深海プリン
沼津港の「沼津深海プリン工房」(静岡県沼津市千本港町97)がつくるプリン。濃厚なプリンの上に、駿河湾の深海をイメージした青いラムネ味のジュレを重ねたもので、地元の丹那牛乳と国産の卵を使う。2019年に沼津ブランドに認定された。

アニメの舞台になった町、内浦
「ラブライブ!サンシャイン!!」は、沼津市の内浦地区の学校で結成されたスクールアイドルグループ「Aqours」の奮闘と成長を描く物語。テレビアニメは2016年7月に第1期が放送され、Aqoursは沼津市の「燦々ぬまづ大使」を務めている。海沿いの喫茶店には、作品のポスターが飾られていた。
出典: numazukanko.jp b-ch.com thetv.jp city.numazu.shizuoka.jp

築70年の古民家
今回お借りしたのは、海沿いの町に建つ築70年の伝統的な日本家屋。板壁にガラスの引き戸、本棚とギター、古い食器棚のある家で、窓辺のカウンターでコーヒーを淹れ、夜は台所のカウンターで寿司を握った。
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