
この旅のこと
台北から南西へ、台湾の北西部にある街、新竹。看板のせり出す通りを歩いて朝食店で蛋餅を買い、レトロなアパートで鹹豆漿を作った。日本統治時代に開かれた東門市場で魯肉飯、老舗の胡椒餅、ミルク氷のかき氷。日が暮れると城隍廟の夜市へ。名物のビーフンと貢丸湯で、新竹の一日を締めくくった。
土地と食のことを、もう少し01TRAVEL JOURNAL
新竹の朝
台北から南西へ。台湾の北西部にある街、新竹の朝を迎えた。大通りには看板がせり出し、遠くに高いビルがのぞく。少し歩くと、古いれんが造りの建物が並ぶ通りに出た。
朝食店の壁には、黄色い品書きがびっしり。青いひさしの店の前を、スクーターがゆっくり通り過ぎていく。
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台湾の朝ごはん、蛋餅を買いに
台湾の朝ごはんの定番、蛋餅(ダンピン)を買いに来た。黄色い看板の素食の朝食店で、鉄板の上では生地が手早く焼かれていく。
台湾には「朝食の専門店」がたくさんある。色とりどりの看板がせり出す通り、細い路地、古い建物の壁。さすが、外食文化の地だ。石積みの塀に沿って、泊まっているアパートへ戻る。
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レトロなアパート
白い柵の門に、赤い郵便受けと鉢植えの緑。どことなく懐かしく感じる。階段を上ると、踊り場に朝の光が差し込み、赤い提灯が揺れていた。
借りているのは、レトロなアパートの一室。シャンデリアと桃の花の飾り、革のソファ、赤い扉。緑の格子戸の玄関を出入りしながら、ここで朝食にしよう。
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鹹豆漿を作る
まず、干しエビとザーサイをフライパンで軽く炒める。炒めた具と黒酢を器に入れ、温めた豆乳を注ぐ。台湾朝食の定番、鹹豆漿(シェントウジャン)だ。
お好みでラー油をたらし、パクチーをたっぷり添えて出来上がり。買ってきた蛋餅は、かわいい絵の描かれた紙箱に入っていた。
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ほっとする美味しさ
いただきます。お酢に温かい豆乳をまぜると、おぼろ豆腐のようにふわりと固まる。ふわふわトロトロで美味しい。
蛋餅にはツナとコーンが入っていた。お好み焼きとサンドイッチの間みたいな味で、モチモチの生地がクセになりそう。タイル張りの台所、白い棚の茶器とダイヤル式の電話。ほっとする美味しさの、台湾の朝食だった。
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東門市場
東前街の標識を目印に、新竹で最も古い市場と言われる「東門市場」へ。日本統治時代の1900年に開かれた市場で、今の建物は1977年に建て替えられたものだという。
市場の通路には赤い提灯が下がり、吹き抜けの上にはガラスの天井。古い字の看板、シャッターの並ぶ通路、エスカレーター。どこかノスタルジックで、まるで映画のセットみたいだ。
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市場の食堂で魯肉飯
一階の、地元の方で賑わっている食堂に入ってみよう。店先には写真入りの品書きが並ぶ。台湾に来たからには「魯肉飯(ルーローハン)」は是非食べておきたい。
水色の器に、たくあんを一切れ。ホロホロのお肉と、五香粉の香る甘辛味がたまらない。素朴で美味しくて、毎日食べたいと思える味だった。
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老舗の胡椒餅
昼食パート2は、人気の胡椒餅屋さんで買い食いしよう。北門街の「丞祖胡椒餅」は、看板に1941年創業とある老舗。バイクの列の向こうで、紙袋に入った熱々の胡椒餅を受け取った。
表面にはゴマがたっぷり。ゴマの風味と胡椒の効いた餡が、たまらなく美味しい。看板の並ぶ通りの角を曲がり、飾りのある古い建物を眺めながら次へ向かう。
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ミルク氷のかき氷
台湾と言えば、かき氷も定番のスイーツ。城隍廟のそばにある「阿忠冰店」は、看板に1963年創業とある。普通の氷だけではなく、ミルク味の氷も削られるのが特徴だ。
店先では大きなかき氷機が氷を削り、隣の鍋からは湯気が上がる。頼んだのは、特製パイナップルシロップが人気のかき氷。練乳のコクとパイナップルがよく合う。中には小豆とモチモチの芋団子が入っていた。期待を上回る美味しさで、大満足。
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夕暮れの新竹駅
1913年に建てられた新竹駅の駅舎は、台湾で最も古い現役の駅舎だという。ヤシの木の向こうに、昼の駅舎。日が傾くと、駅前の交差点も、看板の並ぶ通りも、夕焼けの色に染まった。
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城隍廟の夜市
新竹は台北と違って、道沿いの大きな夜市はなく、新竹の城隍廟(チェンファンミャオ)を含む周辺が大きな夜市となっている。廟の屋根の下に、人の波。石の獅子像の向こうに屋台が連なり、品書きの看板の前で湯気が上がる。紙箱に盛りつける手、鉄板で焼く手。芋泥球と菱角酥の看板もあった。
城隍廟は1748年に落成した廟で、地元の参拝客で賑わっている。金色に光る神像、赤い器に灯るろうそく、天井一面の花灯。ウサギの花灯も並んでいた。厳かと楽しい雰囲気が混ざりあった、日本の寺院とはまた違う空気だ。
この場面から映像で見る4:4212TRAVEL JOURNAL
新竹名物のビーフンと貢丸湯
夕食は、地元の食堂で新竹名物を食べよう。屋台街を抜け、シャッターの下りた路地を歩いて、武昌街の「榮記」へ。風が強い新竹は、ビーフンの名産地としても有名だ。
箸で持ち上げたビーフンは、しっかりとしたコシでめっぽう美味い。肉団子スープの貢丸湯(ゴンワンタン)も新竹名物。とても弾力がありジューシーで、肉の旨味が迸る。地元の方で賑わっているのも納得の美味しさで、良いお店を見つけた。質屋の看板が光る夜道を、アパートへ帰る。
この場面から映像で見る5:2013TRAVEL JOURNAL
アパートの夜
新竹のビーフンは、インスタントも美味しいらしい。袋に入った調合米粉を湯でゆで、器に盛って、お好みでパクチーを乗せる。
台湾ビールの金牌、今夜はアルコールフリーの缶で乾杯。タイルの壁と花の飾りのある食卓で、一日を振り返る。近くて、美味しくて、居心地のよい台湾。
この場面から映像で見る6:08THE BORROWER’S NOTES
借り暮らしの台湾・新竹メモ。
立ち寄った店、台所で作ったもの、この土地のこと。旅のつづきに、覚えておきたいことを。
01立ち寄った店

素食の朝食店
黄色い看板の朝食店。ハンバーガーやサンドイッチ、豆乳、紅茶やミルクティーも出す。ここでツナとコーンの蛋餅を買った。

東門市場の食堂
東門市場の一階にある、地元の方で賑わう食堂。写真入りの品書きには肉燥飯や筍絲飯、スープが並ぶ。ここで魯肉飯(品書きでは肉燥飯)を食べた。

丞祖胡椒餅
台湾 新竹市北區北門街81號
1941年創業、台北・萬華に始まる胡椒餅の老舗で、北門街の店は新竹の本店。豚肉・牛肉のほか、キムチ豚やチーズ入りの味もある。ここで胡椒餅を一つ買い食いした。

阿忠冰店
台湾 新竹市東門街187號
新竹都城隍廟のそばにあるかき氷の店。看板には1963年創業とあり、昔ながらのかき氷と手作りの豆花を出す。ミルク味の氷を削るのが特徴で、特製パイナップルシロップのかき氷には小豆と芋団子が入っていた。

榮記客家湯圓
台湾 新竹市東區武昌街64號
武昌街にある、地元の方で賑わう食堂。品書きには米粉や貢丸湯、鶏肉飯などの小吃が並ぶ。ここで汁なしのビーフンと貢丸湯を食べた。
02作った料理

鹹豆漿
台湾の定番の朝ごはん。温かい豆乳に酢を入れると、たんぱく質が固まっておぼろ豆腐のようになる。店ではこれに干した大根や干しエビ、油條(揚げパン)などを好みで入れる。今回は干しエビとザーサイを炒めて、黒酢で作った。
材料豆乳・黒酢・干しエビ・ザーサイ・ラー油・パクチー
- 干しエビとザーサイをフライパンで軽く炒める
- 器に炒めた具と黒酢を入れる
- 温めた豆乳を注ぐ
- お好みでラー油とパクチーを添える

新竹のビーフン(インスタント)
新竹の米粉は150年を超える歴史を持つ。台湾の規定では、米100%のものだけが「米粉」と名乗れ、米の割合が50%を超えるものは「調合米粉」と表示する。袋入りの調合米粉を湯でゆでて、パクチーを乗せた。
材料新竹の調合米粉(肉燥風味・袋入り)・パクチー
- 湯を沸かしてビーフンをゆでる
- 器に盛る
- お好みでパクチーを乗せる
出典: mirrormedia.mg
03土地のこと

東門市場
日本統治時代の1900年に設立された市場。1911年に大きく拡張した二代目の建物ができたが、第二次世界大戦の空襲で被害を受けて取り壊され、今の建物は1977年に完成した(500を超える店が入る)。1990年代に衰えたのち、2010年代半ばから上の階に若い人の工房や店が入り、一階にも新しい飲食店が開いている。

新竹都城隍廟
台湾 新竹市北區中山路75號
1747年に起工し、翌1748年(乾隆13年)に落成した城隍廟。台湾で、役所より先に城隍廟が建てられた唯一の例とされる。廟を囲むように小吃の屋台が集まり、周辺一帯が夜市になっている。

新竹駅
1893年に開業した駅。今の駅舎は1913年(大正2年)に完成したもので、台湾総督府鉄道部の松崎萬長が設計した。バロック様式とドイツ風ゴシックを組み合わせた建物で、1998年に省定古蹟、1999年に国定古蹟となった。台湾で最も古い現役の駅舎とされる。
出典: zh.wikipedia.org

新竹米粉と九降風
新竹は「九降風」と呼ばれる強い風がとくに強く吹くことから「風城」の名がある。九降風は毎年旧暦9月(新暦の10〜11月)ごろに吹く新竹の風で、この風が米粉を乾かし、新竹米粉を台湾中に知らしめた。米粉と貢丸は、新竹を代表する名産だ。

貢丸(摃丸)
豚肉を叩いて練り、ゆでて作る新竹の肉団子。昔は木槌で肉の塊を叩いて作り、その「摃、摃」という大きな音から「摃丸」と呼ばれるようになったと、城隍廟の近くの老舗は説明している。今は機械で叩くが、美味しさの決め手は肉を叩く工程だという。
出典: travel.yam.com

レトロなアパートの宿
今回お借りしたのは、緑の格子戸の玄関があるレトロなアパートの一室。シャンデリアと桃の花の飾りのある居間、タイル張りの台所、白い棚の茶器とダイヤル式の電話が置かれていた。
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