写真とことばで、旅をする。

旅のエッセイ

東京都 台東区

「東京下町 浅草グルメ日記」前編

喫茶店からはじまる、浅草グルメ日記

「日本最古」の宝庫、浅草を食べて歩いた一日。

映像公開 154 枚の写真

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「自家焙煎 珈琲」の看板の前を通る後ろ姿
「自家焙煎 珈琲」の看板の前を通る後ろ姿TAITO, TOKYO

この旅のこと

窓のすぐ外にスカイツリーがそびえる部屋で、浅草の朝を迎えた。1962年創業の純喫茶でホットサンドを頬張り、日本最古の地下商店街では青春の味の焼きそばを。花やしきで遊んだあとは観音裏の豆かん発祥の甘味処へ、締めは雷門の隣、日本最古とされる天ぷら屋の天丼。「日本最古」の宝庫、浅草を食べて歩いた一日。

土地と食のことを、もう少し

01TRAVEL JOURNAL

スカイツリーの見える朝

窓辺に立つと、すぐそこに東京スカイツリーがそびえていた。東京の観光名所、浅草に滞在している。以前東京で暮らしていたころ、よく遊びに来た町だ。今回は「浅草のローカルグルメ」をテーマに、浅草の暮らしを楽しんでみたい。

電線の向こうにも、らせん階段のある建物の間にも、隅田川の対岸にも、スカイツリーが顔を出す。吊り看板の下がる歩道を抜け、天ぷら屋の看板の前を通って、雷門へ。大提灯の下も、シャッターの下りた仲見世も、この時間はまだ観光客が少ない。

アーケードの先にはスカイツリーが霞み、人力車が朝の通りを行く。東京の町の朝と、観光地の空気が交差している。それはまるで、路地裏から見えるスカイツリーのようだ。

この場面から映像で見る0:24
窓辺に立つ後ろ姿と、すぐそこのスカイツリー
01窓辺に立つ後ろ姿と、すぐそこのスカイツリー
窓枠越しに見上げるスカイツリー
02窓枠越しに見上げるスカイツリー
電線と建物の向こうにそびえるスカイツリー
03電線と建物の向こうにそびえるスカイツリー
らせん階段のある建物の間からのぞくスカイツリー
04らせん階段のある建物の間からのぞくスカイツリー
隅田川の対岸に並ぶビルとスカイツリー
05隅田川の対岸に並ぶビルとスカイツリー
吊り看板の下がる歩道を歩く後ろ姿
06吊り看板の下がる歩道を歩く後ろ姿
「天ぷら三定」の看板の前を通る
07「天ぷら三定」の看板の前を通る
雷門の大提灯と、門の脇の像
08雷門の大提灯と、門の脇の像
宝蔵門へと続く朝の仲見世
09宝蔵門へと続く朝の仲見世
商店街のアーケードの先に霞むスカイツリー
10商店街のアーケードの先に霞むスカイツリー
人力車が行き交う朝の通り
11人力車が行き交う朝の通り
路地裏の看板越しに見えるスカイツリー
12路地裏の看板越しに見えるスカイツリー

02TRAVEL JOURNAL

芸人の町、浅草六区

仲見世通りを西側に抜けると、そこは浅草六区。大正から昭和にかけて、東京の娯楽の中心だった一帯だ。古風な街灯が並ぶ通りの脇に、細い路地が奥へと続いている。

ビートたけしが芸人として出発した浅草フランス座は、演芸場「東洋館」として今も現役だ。シャッターには芸人の絵が描かれ、切符売場の扉には「本日は終演致しました」の札。晩年の永井荷風も、熱心に浅草へ足を運んでいたという。

この場面から映像で見る1:34
古風な街灯が並ぶ浅草六区の通り
13古風な街灯が並ぶ浅草六区の通り
飲食店の看板が続く細い路地
14飲食店の看板が続く細い路地
のぼりが立ち並ぶ演芸場「東洋館」
15のぼりが立ち並ぶ演芸場「東洋館」
芸人の絵が描かれた東洋館のシャッター
16芸人の絵が描かれた東洋館のシャッター
「切符売場」の札がかかる劇場の入口
17「切符売場」の札がかかる劇場の入口

03TRAVEL JOURNAL

六区の純喫茶

そんな浅草の芸人や文化人が好みそうな純喫茶が、今も現役で、浅草の暮らしの一頁になっている。「自家焙煎 珈琲」の看板を掲げたローヤル珈琲店だ。店先の黒板には、厚焼き、ジャム、ハム、タマゴ、チーズと、トーストの名前が並んでいた。

窓辺に置かれているのは、創業当時から働いているという焙煎機。店内は、1962年の創業時から変わらないという。赤いビロードの席に腰を下ろすと、その焙煎機で煎った豆のコーヒーが運ばれてきた。浅草の朝に、元気を与え続けている一杯だ。

この場面から映像で見る2:01
「自家焙煎 珈琲」の看板が立つ喫茶店の店先
18「自家焙煎 珈琲」の看板が立つ喫茶店の店先
軒先に掲げられた「珈琲」の看板
19軒先に掲げられた「珈琲」の看板
喫茶店の看板の前を通る後ろ姿
20喫茶店の看板の前を通る後ろ姿
房飾りの下がる「ローヤル珈琲店」の木の看板
21房飾りの下がる「ローヤル珈琲店」の木の看板
トーストの種類が書かれた店先の黒板
22トーストの種類が書かれた店先の黒板
窓辺に置かれた年代物の焙煎機
23窓辺に置かれた年代物の焙煎機
ガラスの器と、袋詰めのコーヒー豆
24ガラスの器と、袋詰めのコーヒー豆
赤いビロードの席が並ぶ店内
25赤いビロードの席が並ぶ店内
店の人が行き交う、創業時からの店内
26店の人が行き交う、創業時からの店内
白いカップに入ったコーヒー
27白いカップに入ったコーヒー
薄暗い店内で光る白い皿の縁
28薄暗い店内で光る白い皿の縁
テーブルに置かれたコーヒーカップ
29テーブルに置かれたコーヒーカップ

04TRAVEL JOURNAL

サクサク、とろとろのホットサンド

そして、ここでぜひいただきたいのがホットサンド。一番人気はコンビーフだけれど、私はタマゴチーズを選んだ。こんがり焼き目のついたパンを持ち上げると、とろけたチーズがどこまでものびる。外は軽くてサクサク、中はとろとろ。

壁には、地元への愛を感じる絵。人でぎっしりと埋まった、にぎやかな一枚だ。天井では、シャンデリアが店を照らし続けている。窓からほんのりと入る自然光と、ビロードの椅子が心地よい。皿に添えられたポテトチップスは、コンソメ味だった。

この場面から映像で見る2:53
焼き目のついたタマゴチーズのホットサンド
30焼き目のついたタマゴチーズのホットサンド
ホットサンドを持ち上げる手元
31ホットサンドを持ち上げる手元
長くのびるとろけたチーズ
32長くのびるとろけたチーズ
ホットサンドからしたたるチーズ
33ホットサンドからしたたるチーズ
ホットサンドを手に、席でくつろぐ
34ホットサンドを手に、席でくつろぐ
コーヒーの横のホットサンドの皿に手を伸ばす
35コーヒーの横のホットサンドの皿に手を伸ばす
空になった受け皿と、ホットサンドの皿
36空になった受け皿と、ホットサンドの皿
大勢の人が描かれた壁の絵
37大勢の人が描かれた壁の絵
店を照らすシャンデリア
38店を照らすシャンデリア
品書きの立つ卓と、ポテトチップスを添えた皿
39品書きの立つ卓と、ポテトチップスを添えた皿

05TRAVEL JOURNAL

日本最古の地下商店街

交差点を渡り、地下鉄銀座線の入口から階段を下りていく。ここ浅草は「日本最古」の宝庫でもある。そのひとつが、現存する日本最古の地下商店街、浅草地下街だ。1955年(昭和30年)に開業し、50メートルほどの通路に20ほどの店が並んでいる。

そば屋のカウンター、ヘアカットの店の大きな看板、占いの看板に、やきとりの提灯、古着のラック。個性豊かな店が軒を連ねていて、歩いているだけで楽しい。一体どこまで続いているんだろう。剥き出しの配管やケーブル、年季の入った看板を横目に、開業した当時に思いを馳せる。

通路の先の階段を上ると、「浅草地下街 入口」の看板の下に出た。お、ここに出るのか。覗いたことはあったけれど、入ったことはなかったな。

この場面から映像で見る3:49
バスが行き交う朝の交差点
40バスが行き交う朝の交差点
「浅草地下街」の看板が立つ地下鉄の入口
41「浅草地下街」の看板が立つ地下鉄の入口
落書きの残る、浅草寺と地下鉄銀座線の案内板
42落書きの残る、浅草寺と地下鉄銀座線の案内板
地下街の入口近くにあるそば屋のカウンター
43地下街の入口近くにあるそば屋のカウンター
薄暗い地下の通路を歩く後ろ姿
44薄暗い地下の通路を歩く後ろ姿
「ヘアーカット専門店」の大きな看板
45「ヘアーカット専門店」の大きな看板
占いの看板と古着のラックが並ぶ通路
46占いの看板と古着のラックが並ぶ通路
配管がむき出しの天井と、続く店々
47配管がむき出しの天井と、続く店々
赤い提灯の灯る地下の通路
48赤い提灯の灯る地下の通路
古いラジカセの広告を飾るショーウインドー
49古いラジカセの広告を飾るショーウインドー
地上への出口へ続く通路
50地上への出口へ続く通路
地下街の店の名前が並ぶ案内板
51地下街の店の名前が並ぶ案内板
地上へ続く階段を上る後ろ姿
52地上へ続く階段を上る後ろ姿
階段の先に見える地上の通り
53階段の先に見える地上の通り
「浅草地下街 入口」の看板と地下鉄の案内
54「浅草地下街 入口」の看板と地下鉄の案内
看板の下に口を開ける地下街の入口
55看板の下に口を開ける地下街の入口
地下鉄への矢印がある理容室の案内
56地下鉄への矢印がある理容室の案内
蛍光灯に照らされた地下街の案内板
57蛍光灯に照らされた地下街の案内板

06TRAVEL JOURNAL

浅草やきそば 福ちゃん

そして浅草地下街の名物といえば、なんといっても「浅草やきそば 福ちゃん」。1964年に店を開き、50年以上もの間、地下街の入口を見守ってきた。映画『PERFECT DAYS』で、主人公の平山が銭湯のあとに晩酌をする店でもある。

東京下町の定番、もつ煮込みと、目玉焼きをのせた焼きそば。壁には品書きの札がずらりと並んでいて、ほかにも沢山メニューがあるけれど、いつもこのセットを頼んでしまう。アルマイトの皿に、紅しょうがと半熟の目玉焼き。もつ煮込みには、大根と輪切りのねぎがたっぷり入っていた。やっぱり美味しい。

この場面から映像で見る5:11
鉄板の上で炒められる焼きそば
58鉄板の上で炒められる焼きそば
「浅草やきそば」の看板
59「浅草やきそば」の看板
鉄板の前で動く手元
60鉄板の前で動く手元
「浅草地下商店街入口」の看板の下にある店
61「浅草地下商店街入口」の看板の下にある店
紅しょうがと目玉焼きをのせた焼きそば
62紅しょうがと目玉焼きをのせた焼きそば
壁にずらりと並ぶ品書きの札
63壁にずらりと並ぶ品書きの札
大根とねぎがのったもつ煮込み
64大根とねぎがのったもつ煮込み
もつ煮込みを箸ですくう
65もつ煮込みを箸ですくう
麺箱が積まれたカウンターで食べる後ろ姿
66麺箱が積まれたカウンターで食べる後ろ姿
グラスを手に、目玉焼きのせ焼きそばを前に
67グラスを手に、目玉焼きのせ焼きそばを前に

07TRAVEL JOURNAL

目玉焼きは大切に崩して

目玉焼きは、大切に崩して。とろりと流れ出た黄身を、焼きそばに絡めて食べる。

もちっとした太めの麺は、浅草の老舗の製麺所、浅草開化楼のもの。カウンターの脇にも「開化楼」の名が入った麺箱が積まれていた。氷の入ったグラスを傾けながら、思う。私の青春の味だ。

店をあとにして地上へ上がると、松屋浅草の時計台が青空に映えていた。

この場面から映像で見る6:11
箸で目玉焼きを崩す
68箸で目玉焼きを崩す
流れ出る目玉焼きの黄身
69流れ出る目玉焼きの黄身
崩した目玉焼きを焼きそばに絡める
70崩した目玉焼きを焼きそばに絡める
目玉焼きと麺を箸でまとめる
71目玉焼きと麺を箸でまとめる
高く持ち上げた太めの麺
72高く持ち上げた太めの麺
カウンターで焼きそばを食べる後ろ姿
73カウンターで焼きそばを食べる後ろ姿
黄身の絡んだ太い麺
74黄身の絡んだ太い麺
箸で持ち上げた開化楼の麺
75箸で持ち上げた開化楼の麺
地下街の入口にある店の外観
76地下街の入口にある店の外観
氷の入ったグラスを手に
77氷の入ったグラスを手に
青空の下の松屋浅草と歩行者用の信号
78青空の下の松屋浅草と歩行者用の信号
地上への階段を上る後ろ姿
79地上への階段を上る後ろ姿

08TRAVEL JOURNAL

日本最古の遊園地

次に向かったのは、浅草花やしき。1853年(嘉永6年)に開園した、日本最古の遊園地だ。始まりは、牡丹や菊の花園だったという。メリーゴーランドの電飾がきらめき、赤い橋のかかる庭には「開園百七十周年」ののぼりが立っていた。

高い通路からは、スカイツリーと浅草寺の五重塔が並んで見える。その手前を走るのは、1953年に生まれた、日本に現存する最古のローラーコースター。下町浅草をスリリングに駆け抜ける人気のアトラクションだ。私も何か乗ってみよう。

この場面から映像で見る7:00
青空の下に延びるローラーコースターのレール
80青空の下に延びるローラーコースターのレール
電飾に彩られたメリーゴーランドの屋根
81電飾に彩られたメリーゴーランドの屋根
木馬が並ぶメリーゴーランド
82木馬が並ぶメリーゴーランド
赤い橋の庭と「開園百七十周年」ののぼり
83赤い橋の庭と「開園百七十周年」ののぼり
スカイツリーを望む通路を歩く後ろ姿
84スカイツリーを望む通路を歩く後ろ姿
スカイツリーと五重塔、園内のレール
85スカイツリーと五重塔、園内のレール
坂を上っていくローラーコースターの車両
86坂を上っていくローラーコースターの車両
レールが巡る園内を見下ろす
87レールが巡る園内を見下ろす
「ローラーコースター」の看板
88「ローラーコースター」の看板
乗り場へ続く階段を上る後ろ姿
89乗り場へ続く階段を上る後ろ姿

09TRAVEL JOURNAL

町の上を飛ぶように

階段を上り、上のレールから吊られた赤いゴンドラに乗り込んだ。ゆっくりと園内の上を進んでいくと、コースターのレールや家々の屋根、浅草寺の五重塔が、すぐそばを流れていく。町の中を飛んでいるみたいで楽しい。

それから、射的にも挑戦した。銃を構えて、赤い棚に並ぶ景品を狙う。まさか仕留めるとは思わなかった黄色いアヒルが、手のひらにやってきた。名前は「花やん」にした。

この場面から映像で見る7:39
赤いゴンドラに乗って園内の上を進む後ろ姿
90赤いゴンドラに乗って園内の上を進む後ろ姿
ゴンドラから見えるコースターのレールと町並み
91ゴンドラから見えるコースターのレールと町並み
レールの向こうに近づくビル
92レールの向こうに近づくビル
向きを変えたゴンドラから見るマンション
93向きを変えたゴンドラから見るマンション
スカイツリーと五重塔、黄色い鉄塔
94スカイツリーと五重塔、黄色い鉄塔
ゴンドラから見下ろす浅草の家並み
95ゴンドラから見下ろす浅草の家並み
ゴンドラの先に見える五重塔
96ゴンドラの先に見える五重塔
射的の銃を構える手元
97射的の銃を構える手元
景品に向けた射的の銃
98景品に向けた射的の銃
棚の景品を狙う小さな銃
99棚の景品を狙う小さな銃
景品の並ぶ棚と構えた銃
100景品の並ぶ棚と構えた銃
アヒルやミニカーが並ぶ景品の棚
101アヒルやミニカーが並ぶ景品の棚
射的の屋台の前に立つ後ろ姿
102射的の屋台の前に立つ後ろ姿
コラボ企画「浅草決戦」の案内板
103コラボ企画「浅草決戦」の案内板
手のひらにのせた黄色いアヒル
104手のひらにのせた黄色いアヒル
両手で持った射的の景品のアヒル
105両手で持った射的の景品のアヒル

10TRAVEL JOURNAL

観音裏の豆かん

飲み屋の並ぶ路地を抜けて、言問通りを越えて北へ行ってみよう。そこは「観音裏」と呼ばれる静かな界隈。かつて花街として栄えた一帯で、今も当時の面影を残す建物が点在している。落ち着いた江戸の下町情緒を感じる。

赤いテントの「甘味処 梅むら」は、1968年(昭和43年)から続く、豆かん発祥の甘味処。のれんには「高級甘味 しるこ」の文字。風味豊かな豆と、つるつるの寒天がすばらしく、老舗の味を求めて遠くから訪れる人も絶えないそうだ。漫画『孤独のグルメ』でも紹介された店として知られている。

今回は贅沢に、クリームあんみつを。寒天に赤えんどう豆、あんこ、さくらんぼ、みかん、砂糖をまぶした色とりどりの角切り、そしてアイスクリーム。遊園地の余韻にぴったりな、楽しい味だ。一度食べたら、また食べに来たくなる。

この場面から映像で見る8:32
ビニールの幕を下ろした飲み屋が並ぶ路地
106ビニールの幕を下ろした飲み屋が並ぶ路地
人が行き交うにぎやかな路地
107人が行き交うにぎやかな路地
赤いテントの甘味処「梅むら」の前に立つ後ろ姿
108赤いテントの甘味処「梅むら」の前に立つ後ろ姿
「高級甘味 しるこ」と染めたのれん
109「高級甘味 しるこ」と染めたのれん
自転車の並ぶ「梅むら」の店先
110自転車の並ぶ「梅むら」の店先
アイスクリームをのせたクリームあんみつ
111アイスクリームをのせたクリームあんみつ
さくらんぼとみかん、あんこの寄り
112さくらんぼとみかん、あんこの寄り
あんみつにスプーンを入れる
113あんみつにスプーンを入れる
スプーンですくった寒天と赤えんどう豆
114スプーンですくった寒天と赤えんどう豆
あんみつを口に運ぶ手元
115あんみつを口に運ぶ手元
器を前に、スプーンを手に
116器を前に、スプーンを手に
器を手に取り、あんみつをすくう
117器を手に取り、あんみつをすくう
両手で持った、色とりどりのあんみつ
118両手で持った、色とりどりのあんみつ
砂糖をまぶした色とりどりの角切り
119砂糖をまぶした色とりどりの角切り
スプーンの横に並ぶ寒天とあんこ
120スプーンの横に並ぶ寒天とあんこ
さくらんぼをのせた、あんこと寒天
121さくらんぼをのせた、あんこと寒天
湯のみの横で、器を手にする
122湯のみの横で、器を手にする

11TRAVEL JOURNAL

胡麻油の香りに誘われて

浅草といえば、もんじゃ。鉄板焼きの店の看板が、青空に突き出している。はたまた、ホッピー通り。通りでは、ビールの樽やケースが運び込まれていた。人形焼も忘れてはいけない。ガラス越しに、焼き上がった人形焼が手際よく取り出されていく。

それに加えて、一に浅草、二に観音、三に三定の天ぷら。雷門にまで広がりそうな胡麻油の香りに誘われて、天ぷらの三定へ。紺ののれんの奥には、おみやげ売場。店先の品書きの前で、足が止まった。

この場面から映像で見る9:42
青空に突き出したもんじゃ焼きの店の看板
123青空に突き出したもんじゃ焼きの店の看板
ビールの樽やケースを積んだトラック
124ビールの樽やケースを積んだトラック
ガラス越しに見える人形焼づくり
125ガラス越しに見える人形焼づくり
焼き上がった人形焼を取り出す手元
126焼き上がった人形焼を取り出す手元
焼き型の前で動く手元
127焼き型の前で動く手元
「天ぷら 三定」の看板
128「天ぷら 三定」の看板
紺ののれんとおみやげ売場の店先
129紺ののれんとおみやげ売場の店先
「創業天保八年」ののれんの下、品書きの前に立つ
130「創業天保八年」ののれんの下、品書きの前に立つ

12TRAVEL JOURNAL

雷門の隣で、180年

階段を上がって、窓辺の席へ。箸袋には海老の絵と、「創業天保八年」「雷門 三定」の文字。こちらもまた、現存する店では日本最古とされる天ぷら屋さんだ。天保8年(1837年)、三河から江戸に出てきた定吉が、人形町の自宅前で天ぷらの屋台を開いたのが始まり。三河屋定吉を縮めて、三定と名づけられた。雷門の隣で180年以上にわたり、愛されてきた。

店の主人は、必ず調理場に立たなければならない。その掟を守り続け、店は今も雷門の一店だけだという。卓には、ノンアルコールビールの瓶と染付の土瓶。小鉢のもずくには、おろし生姜ときゅうりがのっていた。

そんな守り抜かれた味との対面に、胸が高鳴る。丼のふたを持ち上げると、海老の尾がのぞいた。

この場面から映像で見る10:11
木の階段を上る後ろ姿
131木の階段を上る後ろ姿
二階へ続く木の階段
132二階へ続く木の階段
「創業天保八年」「雷門 三定」と書かれた箸袋
133「創業天保八年」「雷門 三定」と書かれた箸袋
窓辺の席の土瓶とノンアルコールビール
134窓辺の席の土瓶とノンアルコールビール
ノンアルコールビールの瓶
135ノンアルコールビールの瓶
ノンアルコールビールを注いだグラス
136ノンアルコールビールを注いだグラス
おろし生姜ときゅうりをのせたもずく
137おろし生姜ときゅうりをのせたもずく
日の差す卓のグラスと箸袋
138日の差す卓のグラスと箸袋
箸で持ち上げたもずく
139箸で持ち上げたもずく
小鉢を手に取る
140小鉢を手に取る
天丼のふたを持ち上げる
141天丼のふたを持ち上げる
海老天ののった天丼
142海老天ののった天丼

13TRAVEL JOURNAL

江戸から続く天丼

胡麻油の香ばしさに、口いっぱいに広がる海老の旨み。濃い色の衣は、見た目よりも軽い。見た目にも美しい、キリッとしたタレ。それをまとって、ふっくらと炊かれたご飯もたまらない。ほっぺたが落ちる。

江戸の時代から、浅草寺の参拝客もここで、この天丼に舌鼓を打っていたのだろうか。江戸から続くおいしさに、思いを巡らせる。牡蠣の天ぷらも追加して、天つゆにくぐらせた。

江戸の時代から、日本の演芸の中心だった浅草。そんな歴史に寄り添ってきたローカルグルメは、おいしいだけでなく、どこか心が踊る。浅草の借り暮らし、奥が深い。後編へつづく。

この場面から映像で見る11:03
胡麻油で揚げた濃い色の天ぷらがのる天丼
143胡麻油で揚げた濃い色の天ぷらがのる天丼
箸でほぐす、タレの染みたご飯
144箸でほぐす、タレの染みたご飯
タレをまとった天ぷらと、ふっくらしたご飯
145タレをまとった天ぷらと、ふっくらしたご飯
窓辺の席で天丼を手にする
146窓辺の席で天丼を手にする
箸を入れた天丼
147箸を入れた天丼
食べ進めた天丼
148食べ進めた天丼
空いた小鉢とノンアルコールビールの並ぶ卓
149空いた小鉢とノンアルコールビールの並ぶ卓
レモンを添えた牡蠣の天ぷら
150レモンを添えた牡蠣の天ぷら
天つゆに浸した牡蠣の天ぷら
151天つゆに浸した牡蠣の天ぷら
天つゆにくぐらせた牡蠣を箸で持ち上げる
152天つゆにくぐらせた牡蠣を箸で持ち上げる
食べ終えた器とノンアルコールビールの瓶
153食べ終えた器とノンアルコールビールの瓶
「三定」の文字が入った小皿
154「三定」の文字が入った小皿

THE JOURNEY IN FILM

風の音も、台所の音も。

写真の向こうに流れていた時間を、映像でも。

映像で見る13分

THE BORROWER’S NOTES

借り暮らしの浅草メモ。

立ち寄った店、台所で作ったもの、この土地のこと。旅のつづきに、覚えておきたいことを。

01立ち寄った店

  • ローヤル珈琲店 本店

    ローヤル珈琲店 本店

    東京都台東区浅草1-39-7

    1962年創業の純喫茶。創業当時から使っているという年代物の焙煎機で豆を自家焙煎し、店内は創業時からほとんど変わらない。シャンデリアと赤いビロードの席、壁の大きな絵。ホットサンドはコンビーフチーズが一番人気で、今回はタマゴチーズをコーヒーと一緒に。添えのポテトチップスはコンソメ味だった。

    出典: tabelog.com san-tatsu.jp

  • 浅草やきそば 福ちゃん

    浅草やきそば 福ちゃん

    東京都台東区浅草1-1-12 浅草地下街

    浅草地下街の入口にある、1964年開店の店。鉄板で焼く太めの麺のソース焼きそばが名物で、アルマイトの皿で出てくる。目玉焼きはトッピングで追加できる。今回も、もつ煮込みと目玉焼きのせ焼きそばのセット。映画『PERFECT DAYS』では、主人公の平山が銭湯のあとに晩酌をする店として登場する。

    出典: tabi-mag.jp press.moviewalker.jp macaro-ni.jp tsunagujapan.com

  • 甘味処 梅むら

    甘味処 梅むら

    東京都台東区浅草3-22-12

    観音裏にある、1968年(昭和43年)から続く甘味処。元祖を名乗る名物の豆かんてんは、ふっくら煮た赤えんどう豆と寒天に、すっきりした黒蜜。今回はクリームあんみつを頼んだ。のれんには「高級甘味 しるこ」とある。漫画『孤独のグルメ』でも紹介された。

    出典: tv-tokyo.co.jp aumo.jp kinarino.jp

  • 雷門 三定

    雷門 三定

    東京都台東区浅草1-2-2

    天保8年(1837年)創業の天ぷら屋。三河から江戸に出た定吉が人形町で始めた屋台が起こりで、「三河屋定吉」から三定の名がついた。胡麻油をたっぷり使った江戸前の天ぷらで、天丼は並・上・特上がある。店の主人は必ず調理場に立つという掟を守り、店は雷門の一店だけ。今回は天丼と、追加の牡蠣の天ぷら、ノンアルコールビール。

    出典: tempura-sansada.co.jp tempura-sansada.co.jp tempura-sansada.co.jp dime.jp

02土地のこと

  • 浅草寺の雷門と仲見世

    浅草寺の雷門と仲見世

    雷門は浅草寺の総門で、正式名称は「風雷神門」。門の左右に風神と雷神をまつることに由来する。下がる大提灯は高さ3.9メートル、幅3.3メートル、重さ約700キロ。雷門から宝蔵門までのおよそ250メートルには、参道の両側に朱塗りの店が並ぶ仲見世が続き、貞享2年(1685年)ごろがその発祥とされる。

    出典: senso-ji.jp senso-ji.jp

  • 浅草六区と東洋館

    浅草六区と東洋館

    浅草寺の西側、浅草1・2丁目の一帯で、「公園六区」とも呼ばれる。天保12年(1841年)の火事のあと、幕府は芝居小屋を浅草の猿若町へ移させ、江戸三座が一か所に集まった。これが、浅草が娯楽の町として育つきっかけになったとされる。大正から昭和にかけては東京の娯楽の中心で、浅草オペラや軽演劇もここから生まれた。昭和26年(1951年)に開業したストリップ劇場「フランス座」は、ビートたけし(北野武)が芸人として出発した場所で、今は「浅草フランス座演芸場東洋館」として続いている。晩年の永井荷風の日記には、ほぼ連日「浅草」の2字が書き込まれていたという。

    出典: tabi-mag.jp tabi-mag.jp nippon.com serai.jp

  • 浅草地下街(浅草地下商店街)

    浅草地下街(浅草地下商店街)

    東京都台東区浅草1-1-12 地下1階

    1955年(昭和30年)に開業した、現存する日本最古の地下商店街。東京メトロ銀座線の浅草駅から、新仲見世側の6番出口へ抜ける地下にある。およそ50メートルの通路に、20ほどの店が並ぶ。銀座線沿いにつくられた3番目の地下街だという。

    出典: tabi-mag.jp

  • 浅草開化楼の麺

    浅草開化楼の麺

    1950年創業の製麺所、浅草開化楼。台東区の稲荷町にあり、店主ごとに理想の麺を聞き取って、その店だけの麺をつくる。福ちゃんの焼きそばのもちっとした太めの麺もここのもので、店のカウンターの脇には「開化楼」の麺箱が積まれていた。

    出典: nippon.com

  • 浅草花やしき

    浅草花やしき

    東京都台東区浅草2-28-1

    江戸時代の終わり、嘉永6年(1853年)に牡丹や菊の花園として開園し、日本で最も古い遊園地として今も営業している。1953年(昭和28年)に生まれたローラーコースターは、日本に現存する最古のコースター。園内には開園百七十周年ののぼりが立っていた。今回は上のレールから吊られたゴンドラに乗り、射的で黄色いアヒルを仕留めた。

    出典: gotokyo.org enjoytokyo.jp

  • 観音裏

    観音裏

    浅草寺の裏手、言問通りを渡った北側に広がる閑静な界隈。かつて花街として栄え、数えるほどになった料亭や、当時の面影を残す建物、代々の味を受け継ぐ店が点在する。近年はビストロやカフェも増えている。

    出典: timeout.jp

  • 豆かん(豆かんてん)

    豆かん(豆かんてん)

    ふっくらと煮た赤えんどう豆と寒天に、黒蜜をかけた甘味。観音裏の梅むらが元祖を名乗る名物で、豆かん発祥の店として紹介されている。漫画『孤独のグルメ』の原作第1巻には「東京都台東区浅草の豆かん」の話が収められている。今回はクリームあんみつを選んだが、器の中にも赤えんどう豆と寒天が入っていた。

    出典: aumo.jp tv-tokyo.co.jp maruzenjunkudo.co.jp

  • ノンアルコールビール「アサヒ ドライゼロ」

    ノンアルコールビール「アサヒ ドライゼロ」

    三定の席で飲んだのは、アサヒビールのノンアルコールビールテイスト飲料「ドライゼロ」。アルコール分0.00%の炭酸飲料で、瓶には「ノンアルコール」「カロリーゼロ」「糖質ゼロ」と書かれている。

    出典: asahibeer.co.jp

  • スカイツリーの見える部屋

    スカイツリーの見える部屋

    今回お借りしたのは、窓のすぐ外にスカイツリーがそびえる部屋。浅草の町を歩いて回る拠点にした。

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01スカイツリーの見える朝

02芸人の町、浅草六区

03六区の純喫茶

04サクサク、とろとろのホットサンド

05日本最古の地下商店街

06浅草やきそば 福ちゃん

07目玉焼きは大切に崩して

08日本最古の遊園地

09町の上を飛ぶように

10観音裏の豆かん

11胡麻油の香りに誘われて

12雷門の隣で、180年

13江戸から続く天丼