写真とことばで、旅をする。

旅のエッセイ

和歌山県 串本町

本州唯一の亜熱帯地域「和歌山串本町」で暮らすように旅してみた

森の家と、南国の海。串本の一日

本州最南端の町で過ごす、あたたかい一日。

映像公開 117 枚の写真

旅を読みはじめる
森の家の縁側に座り、庭の緑を眺める後ろ姿
森の家の縁側に座り、庭の緑を眺める後ろ姿KUSHIMOTO, WAKAYAMA

この旅のこと

本州最南端の町、和歌山県串本町。森の中に建つ築60年の古民家で朝を迎え、黒潮の恵みの鰹で茶漬けを作った。再生した小さな劇場、世界最北のサンゴの海を映す水族館、潮岬の碑、トルコとの絆を伝える記念館。地魚と柑橘を買って帰り、庭にはアナグマ。南国のような海と日本の原風景が残る町で過ごした、あたたかい一日。

土地と食のことを、もう少し

01TRAVEL JOURNAL

本州最南端の町、森の家の朝

本州最南端の町、和歌山県串本町。森の中にある、築60年という古民家で朝を迎えた。木々の向こうに瓦屋根がのぞき、電線の上には青い空が広がっている。足元の緑には、朝の光が差していた。

庭先には折りたたみの椅子が並び、台所では炊飯器とやかんが湯気を立てている。窓の外は一面の緑だ。

この場面から映像で見る0:22
木々の向こうに瓦屋根がのぞく森の中の道
01木々の向こうに瓦屋根がのぞく森の中の道
青空に伸びる電柱と電線
02青空に伸びる電柱と電線
朝の光を受ける緑の葉
03朝の光を受ける緑の葉
縁側の前に折りたたみ椅子を置いた古民家
04縁側の前に折りたたみ椅子を置いた古民家
台所の炊飯器とやかん
05台所の炊飯器とやかん
緑を映す台所の窓と流し
06緑を映す台所の窓と流し

02TRAVEL JOURNAL

黒潮の鰹で、鰹茶漬けを

今朝は、串本の名物を作る。まな板の上で青ねぎを刻む。台所の柱には、この田並地区の手描きの絵地図が貼ってあった。

暖流の黒潮の恵みを受ける串本は、好漁場として知られる。このあたりの鰹は一尾ずつ釣り上げ、すぐに締めて氷水で冷やすから、鮮度が抜群なのだそうだ。刺身用のさくを切り分け、ごまの入ったたれに漬けて、皿に重ねていく。

ご飯の上に、たれをまとった鰹と刻み海苔、青ねぎをのせれば、串本の名物、鰹茶漬け。土瓶には熱々のだし汁を用意した。障子越しの光が畳の間に差し込む中、椀にだし汁を注ぐ。

この場面から映像で見る0:40
まな板の上で青ねぎを刻む手元
07まな板の上で青ねぎを刻む手元
柱に貼られた田並の手描きの絵地図
08柱に貼られた田並の手描きの絵地図
鰹のさくを包丁で切り分ける手元
09鰹のさくを包丁で切り分ける手元
たれの皿に鰹の刺身を並べる手元
10たれの皿に鰹の刺身を並べる手元
皿に重ねた鰹の刺身の寄り
11皿に重ねた鰹の刺身の寄り
ごま入りのたれに漬かった鰹の刺身
12ごま入りのたれに漬かった鰹の刺身
障子越しの光が差す板の間と畳の部屋
13障子越しの光が差す板の間と畳の部屋
丸い卓の上のだし汁の土瓶と箸
14丸い卓の上のだし汁の土瓶と箸
木の椀の鰹茶漬けと、だし汁の土瓶
15木の椀の鰹茶漬けと、だし汁の土瓶
刻み海苔と青ねぎをのせた鰹茶漬けの寄り
16刻み海苔と青ねぎをのせた鰹茶漬けの寄り
鰹をのせたご飯に熱いだし汁を注ぐ
17鰹をのせたご飯に熱いだし汁を注ぐ

03TRAVEL JOURNAL

緑に囲まれた朝ごはん

縁側に小さな卓を出し、窓の外の緑を眺めながらいただく。鰹のもちもちした食感と、濃厚な旨味が染み渡る。

すぐそばには清流が流れ、家は美しい緑に囲まれている。外には山の水を受ける桶があり、板壁の洗面台の丸い鏡には木々が映る。心を穏やかにしてくれる場所だ。

この場面から映像で見る1:21
緑を背にした屋外の流しの蛇口
18緑を背にした屋外の流しの蛇口
緑を望む縁側で朝ごはんを食べる後ろ姿
19緑を望む縁側で朝ごはんを食べる後ろ姿
卓上の土瓶と、庭に置かれた木の椅子
20卓上の土瓶と、庭に置かれた木の椅子
木々の間を流れる清流
21木々の間を流れる清流
窓辺の卓で茶漬けを食べる後ろ姿
22窓辺の卓で茶漬けを食べる後ろ姿
シダに囲まれた山の水を受ける桶
23シダに囲まれた山の水を受ける桶
板壁の洗面台と丸い鏡
24板壁の洗面台と丸い鏡

04TRAVEL JOURNAL

別の世界のような暮らし

障子の向こうの板の間には、赤い布が梁から下がり、布団が畳んである。玄関の脇には折りたたみの椅子と赤い郵便受け。庭の片隅には、桃色の小さな花が咲いていた。

台所の窓辺には泡立て器やお玉が吊るされ、本棚のある板の間には低い机と座布団。日々の暮らしが、別の世界のことのように感じられる。

この場面から映像で見る1:52
梁から赤い布が下がる板の間と畳んだ布団
25梁から赤い布が下がる板の間と畳んだ布団
折りたたみ椅子と赤い郵便受けのある玄関
26折りたたみ椅子と赤い郵便受けのある玄関
木陰に咲く桃色の小さな花
27木陰に咲く桃色の小さな花
窓辺に吊るされた泡立て器やお玉
28窓辺に吊るされた泡立て器やお玉
本棚と低い机のある板の間
29本棚と低い机のある板の間
明るい戸口に立つ後ろ姿
30明るい戸口に立つ後ろ姿

05TRAVEL JOURNAL

川沿いの散歩

空気もおいしくて、散歩が気持ちいい。杉の木立を抜ける道を歩き、川沿いの道路に出た。

道端の青いかごには、収穫したばかりの玉ねぎとにんにくが干してある。橋を渡ると、川の向こうに白い大きな建物が見えてきた。

この場面から映像で見る2:21
岩と杉の木立
31岩と杉の木立
木立の道を歩く後ろ姿
32木立の道を歩く後ろ姿
ガードレール越しの川と集落
33ガードレール越しの川と集落
青いかごに干した玉ねぎと、並べたにんにく
34青いかごに干した玉ねぎと、並べたにんにく
川を渡る橋の道
35川を渡る橋の道
川の向こうに立つ白い建物
36川の向こうに立つ白い建物

06TRAVEL JOURNAL

可愛い田並劇場

町に佇む、手作り感のある可愛い田並劇場へ。白い板壁の建物で、入口には古い郵便ポストと、ビカクシダなどの植物が飾られていた。

昭和25年(1950年)に建てられ、旅回りの一座の芝居や映画の上映でにぎわったという。長く放置されて廃墟になっていたが、2014年から4年をかけて修復され、2018年の夏に映画の上映会で再び幕を開けた。今は映画や音楽、展示などの催しに使われている。窓の向こうには美術展のポスターや冊子が並んでいて、ぜひここで映画を観てみたいと思ったのだが、あいにくこの日は開いていなかった。映画はまた今度。

劇場のすぐ裏は、JR紀勢本線の田並駅。錆びた欄干の橋を渡ると、線路とホームが見えた。

この場面から映像で見る2:39
白い板壁の田並劇場へ歩く後ろ姿
37白い板壁の田並劇場へ歩く後ろ姿
劇場の入口に置かれた古い郵便ポストと植物
38劇場の入口に置かれた古い郵便ポストと植物
白い板壁と瓦屋根の田並劇場
39白い板壁と瓦屋根の田並劇場
窓越しに見える美術展のポスターと冊子
40窓越しに見える美術展のポスターと冊子
錆びた欄干の橋を歩く後ろ姿
41錆びた欄干の橋を歩く後ろ姿
田並駅のホームと線路、緑の山
42田並駅のホームと線路、緑の山

07TRAVEL JOURNAL

世界最北のサンゴの海を映す水族館

田並駅のホームに、列車が入ってきた。架線の向こうには緑の山。列車で向かった串本の海は、世界最北の大サンゴ群落があることで知られる。黒潮の恵みを受け、熱帯性の色とりどりの魚たちが泳ぐ美しい海だ。

串本海中公園の水族館へ。トンネル状の水槽の下に立つと、頭の上を魚の群れが横切っていく。目の前の海から直接くみ上げた海水を使い、この串本の海に棲む生き物だけを展示している。「自然のままの海の姿」を映した水族館だ。

ウミガメパークには、可愛い赤ちゃんウミガメもいた。水面の下からこちらをのぞく顔に、思わず足が止まる。

この場面から映像で見る3:13
田並駅のホームに入ってくる列車
43田並駅のホームに入ってくる列車
架線の下を遠ざかる列車と緑の山
44架線の下を遠ざかる列車と緑の山
トンネル状の水槽の下に立つ後ろ姿
45トンネル状の水槽の下に立つ後ろ姿
「串本海中公園」の看板が掲げられた水族館の建物
46「串本海中公園」の看板が掲げられた水族館の建物
大きな水槽の前に立つ後ろ姿
47大きな水槽の前に立つ後ろ姿
サンゴの上を泳ぐ熱帯魚
48サンゴの上を泳ぐ熱帯魚
暗い展示室に並ぶ水槽
49暗い展示室に並ぶ水槽
水面の下からこちらをのぞくウミガメの顔
50水面の下からこちらをのぞくウミガメの顔
水槽を泳ぐ二匹の小さなウミガメ
51水槽を泳ぐ二匹の小さなウミガメ

08TRAVEL JOURNAL

潜水艦のような海中展望塔

赤い橋の先に、まるで潜水艦のような海中展望塔が立っている。沖合140メートル、水深6.3メートルの海底に建てられたものだ。

らせん階段を下りると、壁にはずらりと丸窓が並ぶ。窓の向こうは、魚たちが暮らすありのままの海中世界。ゆったりと散歩するように、窓をひとつずつのぞいて歩いた。地上に戻って海を見下ろし、さっきはあの辺りをのぞいていたのかな、と思う。

この場面から映像で見る3:59
赤い橋の先に立つ海中展望塔
52赤い橋の先に立つ海中展望塔
丸窓の並ぶ展望塔の中に立つ後ろ姿
53丸窓の並ぶ展望塔の中に立つ後ろ姿
丸窓から見える青い海の中と魚
54丸窓から見える青い海の中と魚
展望塔の赤い階段と海
55展望塔の赤い階段と海

09TRAVEL JOURNAL

海を見ながら、瀬戸内レモンケーキ

海中公園のレストランでひと休み。おやつには、瀬戸内レモンケーキを選んだ。白い砂糖衣の下はしっとりしたレモンの生地で、アイスクリームとアイスコーヒーが付いてくる。

以前訪れた「瀬戸内」の言葉に惹かれたのだ。椰子の木が並ぶ窓の外には、太平洋。この海も、あの猫の島につながっているわけか。

この場面から映像で見る4:42
「海中公園レストラン」の看板を掲げた白い建物
56「海中公園レストラン」の看板を掲げた白い建物
ウミガメの形の番号札と、レモンケーキとアイスコーヒーのトレイ
57ウミガメの形の番号札と、レモンケーキとアイスコーヒーのトレイ
レモンケーキにフォークを入れる
58レモンケーキにフォークを入れる
椰子の木と海が見える窓辺の席に座る後ろ姿
59椰子の木と海が見える窓辺の席に座る後ろ姿

10TRAVEL JOURNAL

本州最南端と、トルコとの絆

松の枝の向こうに、潮岬観光タワーが立っている。潮岬は本州最南端の地。海を背にした石碑には「潮岬 本州最南端」と刻まれていた。

この町に来たら、ぜひ食べてみたかったのが「ケバブライス」。ヨーグルトソースをまとった香ばしいケバブと、白いご飯に糸唐辛子。串本町と「トルコ共和国」との絆は深く、その絆は町のレストランでも垣間見ることができる。紀伊大島の樫野崎、トルコ記念館の近くの店で、トルコ風の布を背にいただいた。

日本がトルコを救い、トルコが日本を救った。記念館の前では、トルコと日本の国旗が並んで揺れている。明治23年(1890年)9月16日、オスマン帝国の軍艦エルトゥールル号が樫野崎沖で台風に遭って座礁・沈没し、587名が亡くなった。大島の村民は総出で救助にあたり、69名が助かった。それから95年後の1985年、イラン・イラク戦争のさなかにテヘランに取り残された日本人を、トルコの航空機が救出した。95年の時を経た絆の物語は、ここで始まった。

記念館には、当時の写真や文書が並ぶ。窓の外には、岩礁に白い波が立つ海。日本とトルコの友好を表すように、ケバブと白いご飯は仲良く皿に収まっていた。

この場面から映像で見る5:15
松の枝越しに見える潮岬観光タワーと芝生
60松の枝越しに見える潮岬観光タワーと芝生
海を背に立つ「潮岬 本州最南端」の石碑
61海を背に立つ「潮岬 本州最南端」の石碑
ケバブライスの皿とビールのグラスを前にした手元
62ケバブライスの皿とビールのグラスを前にした手元
ヨーグルトソースと糸唐辛子をのせたケバブライスの寄り
63ヨーグルトソースと糸唐辛子をのせたケバブライスの寄り
タイル柄の壁に掲げられた「トルコ記念館」の看板
64タイル柄の壁に掲げられた「トルコ記念館」の看板
トルコ風の布を背にしたテーブルのケバブライスとビール
65トルコ風の布を背にしたテーブルのケバブライスとビール
青空に並んで翻るトルコと日本の国旗
66青空に並んで翻るトルコと日本の国旗
古い写真や文書が並ぶ記念館の展示ケース
67古い写真や文書が並ぶ記念館の展示ケース
エルトゥールル号の遭難を伝える説明パネル
68エルトゥールル号の遭難を伝える説明パネル
窓の向こうの岩礁に白い波が立つ海
69窓の向こうの岩礁に白い波が立つ海
ケバブライスとビールの並ぶ店のテーブル
70ケバブライスとビールの並ぶ店のテーブル

11TRAVEL JOURNAL

地魚と柑橘と、さんま寿司

地元の商店で買い物をして帰ろう。軒先の冷蔵ケースには、パック詰めの地魚が並ぶ。「地魚」という言葉には、魅力を感じる。黄色いテントの八百屋では、かごに盛られた柑橘に「スイートスプリング」「ハッサク」の値札。地魚と名物の柑橘で、何か作ってみたい。

「新町通り」の看板がある通りを抜けて、橋杭岩を望む道の駅へ。棚には初めて見る「さんま寿司」。私は「押し寿司」の類には目がない。このあたりはマグロも有名で、マグロの胃袋のごま煮という珍しい品も手に入る。店内には大漁旗が下がり、「那智勝浦のまぐろ」の干物が並んでいた。

港には漁船が戻ってくる。大漁、大漁。

この場面から映像で見る6:26
軒先に冷蔵ケースを出した魚屋と軽トラック
71軒先に冷蔵ケースを出した魚屋と軽トラック
冷蔵ケースに並ぶパック詰めの地魚
72冷蔵ケースに並ぶパック詰めの地魚
冷蔵ケース越しに見える店の奥
73冷蔵ケース越しに見える店の奥
黄色いテントの八百屋の店先に立つ後ろ姿
74黄色いテントの八百屋の店先に立つ後ろ姿
「スイートスプリング」の値札と、かごの柑橘を手に取る
75「スイートスプリング」の値札と、かごの柑橘を手に取る
店先に積まれた箱とかご
76店先に積まれた箱とかご
「新町通り」の看板がある町の通り
77「新町通り」の看板がある町の通り
棚に並ぶさんま寿司のパック
78棚に並ぶさんま寿司のパック
店の窓越しに橋杭岩を眺める後ろ姿
79店の窓越しに橋杭岩を眺める後ろ姿
かごに並ぶマグロの胃袋のごま煮のパック
80かごに並ぶマグロの胃袋のごま煮のパック
大漁旗が下がる道の駅の店内
81大漁旗が下がる道の駅の店内
「那智勝浦のまぐろ」と書かれた干物のパック
82「那智勝浦のまぐろ」と書かれた干物のパック
港に戻ってくる漁船
83港に戻ってくる漁船

12TRAVEL JOURNAL

ただいま、おかえり

木立の向こうに、古民家の玄関が見えてきた。ただいま。

「おかえり」。庭の物置の前に、白い筋の入った顔のアナグマが一匹。誰か居る?と戸口から顔を出すと、もう草むらに姿を消していた。

窓辺に置いたのは、串本産ポンカンの果汁100%のジュース。海の生き物も、山の生き物も、伸び伸び暮らしている。縁側に腰を下ろして庭を眺め、板の間で体を伸ばす。今日も串本日和。

この場面から映像で見る7:33
木立越しに見える古民家の玄関
84木立越しに見える古民家の玄関
買い物袋を提げて玄関の戸を開ける後ろ姿
85買い物袋を提げて玄関の戸を開ける後ろ姿
庭の物置の前に現れたアナグマ
86庭の物置の前に現れたアナグマ
戸口から庭をのぞく後ろ姿
87戸口から庭をのぞく後ろ姿
草むらの庭と物置の軒下
88草むらの庭と物置の軒下
薄暗い窓辺に置いたぽんかんジュースの瓶
89薄暗い窓辺に置いたぽんかんジュースの瓶
「くしもとぽんかんジュース」の瓶
90「くしもとぽんかんジュース」の瓶
日の当たる窓辺のぽんかんジュースと手
91日の当たる窓辺のぽんかんジュースと手
縁側に座って庭の緑を眺める後ろ姿
92縁側に座って庭の緑を眺める後ろ姿
庭に面した板の間で体を伸ばす
93庭に面した板の間で体を伸ばす

13TRAVEL JOURNAL

夕暮れの橋杭岩と、串本町まんぞくディナー

夕方、田並駅前のバス停の前を通って、橋杭岩へ。夕日を受けた岩の列が金色に染まり、海の向こうに日が沈んでいった。

夜は、串本町の地魚、トビウオの刺身と、和歌山の柑橘でカルパッチョを作ってみる。ミニトマトを切り、柑橘の皮をむいて果肉を外す。皿に敷いた葉野菜の上にトビウオの薄造りを並べ、柑橘とトマトを散らして、柑橘で作った特製ドレッシングをかける。

もう一品は、道の駅で買ったマグロの干物。焼き網にのせて炙ると、台所に香ばしい匂いが広がった。

この場面から映像で見る8:34
夕空の下の田並駅前のバス停と駅舎
94夕空の下の田並駅前のバス停と駅舎
夕日に金色に染まる橋杭岩
95夕日に金色に染まる橋杭岩
木の葉越しに海へ沈む夕日
96木の葉越しに海へ沈む夕日
まな板の上でミニトマトを切る手元と柑橘
97まな板の上でミニトマトを切る手元と柑橘
ミニトマトを半分に切る
98ミニトマトを半分に切る
切ったトマトと柑橘を置いたまな板
99切ったトマトと柑橘を置いたまな板
包丁で柑橘の皮をむく手元
100包丁で柑橘の皮をむく手元
台所で柑橘の皮をらせんにむく
101台所で柑橘の皮をらせんにむく
トビウオの刺身と葉野菜の上に柑橘の果肉をのせる
102トビウオの刺身と葉野菜の上に柑橘の果肉をのせる
柑橘とトマトを散らしたカルパッチョにドレッシングをかける
103柑橘とトマトを散らしたカルパッチョにドレッシングをかける
焼き網にのせたマグロの干物
104焼き網にのせたマグロの干物
台所で干物を炙る後ろ姿
105台所で干物を炙る後ろ姿

14TRAVEL JOURNAL

初めて出会う美味しさ

串本町まんぞくディナーの完成。カルパッチョに、さんま寿司、炙った干物、マグロの胃袋のごま煮。麦芽100%のノンアルコールビールをグラスに注いだら、泡があふれた。おっとっと。

まずは、さんま寿司から。酢でしめたさんまの下に、ゆずの香るすし飯。推し押し寿司、認定。青ねぎを散らしたマグロの胃袋のごま煮も、炙った干物も、初めて食べる味だ。初めて出会う美味しさは、旅の醍醐味だな。

南国のような海と、日本の原風景が残る串本町。そこは土地も歴史も、あたたかい所だった。

この場面から映像で見る9:18
カルパッチョとさんま寿司の並ぶ食卓に缶を置く手元
106カルパッチョとさんま寿司の並ぶ食卓に缶を置く手元
缶からグラスに注ぐ手元
107缶からグラスに注ぐ手元
「龍馬1865」の缶と泡のあふれたグラス
108「龍馬1865」の缶と泡のあふれたグラス
泡の立つグラスと炙った干物の皿
109泡の立つグラスと炙った干物の皿
箸でつまむさんま寿司
110箸でつまむさんま寿司
本棚の前のちゃぶ台で夕食をとる
111本棚の前のちゃぶ台で夕食をとる
切り分けたさんま寿司の寄り
112切り分けたさんま寿司の寄り
青ねぎを散らしたマグロの胃袋のごま煮
113青ねぎを散らしたマグロの胃袋のごま煮
皿に盛った炙りたての干物
114皿に盛った炙りたての干物
料理の並ぶちゃぶ台の前に座る
115料理の並ぶちゃぶ台の前に座る
夜の板の間に座り、庭を眺める後ろ姿
116夜の板の間に座り、庭を眺める後ろ姿
夜の闇に灯りのともる古民家
117夜の闇に灯りのともる古民家

THE JOURNEY IN FILM

風の音も、台所の音も。

写真の向こうに流れていた時間を、映像でも。

映像で見る11分

THE BORROWER’S NOTES

借り暮らしの串本メモ。

立ち寄った店、台所で作ったもの、この土地のこと。旅のつづきに、覚えておきたいことを。

01立ち寄った店

  • 海中公園レストラン アクロポーラ

    海中公園レストラン アクロポーラ

    和歌山県東牟婁郡串本町有田1157(串本海中公園内)

    串本海中公園の水族館の隣にあるレストラン。窓の外に太平洋が広がる。おやつに、瀬戸内レモンケーキとアイスクリーム、アイスコーヒーのセットを食べた。マグロや近海の魚の定食、和歌山ラーメンなどの食事もある。

    出典: kushimoto.co.jp iko-yo.net

  • カフェ・ラパン

    カフェ・ラパン

    和歌山県東牟婁郡串本町樫野990-1

    映像に店名は出てこないが、場所と品書きからこの店と思われる。紀伊大島の樫野崎、トルコ記念館へ通じる遊歩道の入口にあるカフェ。名物はビーフとチキンのケバブライスで、ヨーグルトソースをまとったケバブに白いご飯と糸唐辛子。店内にはトルコ風の布が飾られ、窓の外に海が見える。

    出典: cafe.lapin-kushimoto.com retty.me tabelog.com

  • 地元の商店(魚屋と八百屋)

    地元の商店(魚屋と八百屋)

    町なかの商店で買い物をした。軒先に冷蔵ケースを出した魚屋には、パック詰めの地魚。黄色いテントの八百屋には、「スイートスプリング」「ハッサク」の値札を立てた柑橘のかごが並ぶ。ここでトビウオの刺身と柑橘を買って、夕食のカルパッチョにした。

  • 道の駅くしもと橋杭岩

    道の駅くしもと橋杭岩

    和歌山県東牟婁郡串本町くじの川1549-8

    国の名勝・天然記念物の橋杭岩を目の前に望む道の駅。さんま寿司、マグロの胃袋のごま煮、まぐろの干物を買った。店内には大漁旗が下がり、マグロの内臓や胃の加工品、うつぼの揚げ煮など串本らしい品が並ぶ。

    出典: rurubu.jp

02作った料理

  • 鰹茶漬け

    鰹茶漬け

    たれに漬けた鰹をご飯にのせ、熱いだし汁をかけて食べる。串本の食事処の看板料理として知られる名物で、一杯目は丼のように、二杯目はお茶漬けにして食べる店もある。串本をはじめ紀南の沿岸では、明治時代にハワイから伝わったという「ケンケン釣り」で鰹を一尾ずつ釣り上げ、すぐに締めて氷水で冷やす。鮮度が高く刺身に向き、水揚げ当日のもちもちした食感から「モチガツオ」とも呼ばれる。旬は3月から5月。

    材料ご飯・鰹の刺身(さく)・ごまの入った醤油だれ・刻み海苔・青ねぎ・熱いだし汁

    1. 青ねぎを刻む
    2. 鰹のさくを切り分け、ごまの入ったたれに漬ける
    3. ご飯に鰹をのせ、刻み海苔と青ねぎを散らす
    4. 熱いだし汁をかけていただく

    出典: walkerplus.com pref.wakayama.lg.jp

  • トビウオと柑橘のカルパッチョ

    トビウオと柑橘のカルパッチョ

    串本の港には、マグロや鰹のほかトビウオやさんまも水揚げされる。町ではポンカンの栽培も盛んで、「くろしおポンカン」の名で出荷されている。地元の商店で買ったトビウオの刺身と和歌山の柑橘を合わせて、串本らしい一皿にした。

    材料トビウオの刺身(串本の地魚)・和歌山の柑橘・ミニトマト・葉野菜・柑橘で作ったドレッシング

    1. ミニトマトを半分に切る
    2. 柑橘の皮をむき、果肉を外す
    3. 皿に葉野菜を敷き、トビウオの薄造りを並べる
    4. 柑橘とトマトを散らし、柑橘のドレッシングをかける

    出典: ja.wikipedia.org

03土地のこと

  • 潮岬(本州最南端)

    潮岬(本州最南端)

    東経135度46分、北緯33度26分に位置する本州最南端の地。岬の先には「望楼の芝」と呼ばれる広い芝生が広がり、潮岬灯台と、海抜100メートルの展望室を持つ潮岬観光タワーが立つ。タワーの入館者には「本州最南端訪問証明書」が発行される。石碑には「潮岬 本州最南端」と刻まれている。

    出典: rurubu.jp rurubu.jp

  • 串本海中公園(水族館・海中展望塔)

    串本海中公園(水族館・海中展望塔)

    和歌山県東牟婁郡串本町有田1157

    目の前の海の海水と生き物で、串本の海を再現した水族館。飼育員が自ら潜って調査・採集・飼育・繁殖を行い、世界で初めてアカウミガメの2世代・3世代の繁殖に成功した。ウミガメパークでは大きなウミガメにエサやりができる。海中展望塔は沖合140メートル、水深6.3メートルの海底に建てられ、丸窓から360度の海中を観察できる。多い時期には70種以上の魚が見られる。

    出典: kushimoto.co.jp

  • 串本の海のサンゴ

    串本の海のサンゴ

    串本の沿岸海域には、世界最北の大サンゴ群生域がある。テーブル状のクシハダミドリイシやオオナガレハナサンゴの群落は国内最大規模で、高緯度の本州中部にありながら黒潮の強い影響を受けるため、熱帯魚など多くの熱帯性の生き物が棲む。2005年11月、ラムサール条約の湿地に登録された。

    出典: pref.wakayama.lg.jp

  • トルコ記念館とエルトゥールル号

    トルコ記念館とエルトゥールル号

    和歌山県東牟婁郡串本町樫野1025-26

    紀伊大島の樫野崎、トルコ軍艦遭難慰霊碑に隣接して建つ記念館。エルトゥールル号の模型や遺品、写真、文書を展示する。1890年(明治23年)9月16日、オスマン帝国の軍艦エルトゥールル号が樫野崎沖で台風に遭って座礁・沈没し、587名が犠牲になった。大島の村民は全村を挙げて救助と介抱にあたり、69名が助かった。この出来事は日本とトルコの友好の原点とされ、1985年のイラン・イラク戦争の際には、テヘランに残された日本人をトルコの航空機が救出した。串本町はトルコのメルシン市と姉妹都市で、2015年の映画「海難1890」の一部は串本で撮影された。

    出典: pref.wakayama.lg.jp rurubu.jp tabi-mag.jp

  • 田並劇場

    田並劇場

    和歌山県東牟婁郡串本町田並1547

    JR田並駅のそばに立つ、昭和25年(1950年)に建てられた劇場。全盛期には旅回りの一座の芝居や映画の上映でにぎわい、1970年ごろに閉鎖されて長く放置されていた。2014年から4年をかけて修復され、2018年の夏に映画上映会で再び開いた。今は映画の上映、音楽ライブ、展示、ワークショップ、落語会などの催しや、カフェの営業を行っている。

    出典: good.tetau.jp tanami.jp pref.wakayama.lg.jp

  • 田並駅

    田並駅

    JR西日本紀勢本線(きのくに線)の駅。1940年(昭和15年)8月8日に開業した。島式ホーム1面2線の地上駅で、列車の行き違いができる。駅前にはバス停「田並駅前」がある。

    出典: ja.wikipedia.org

  • 橋杭岩

    橋杭岩

    串本の海岸から紀伊大島に向かって、大小約40の岩が約850メートルにわたって一列に並ぶ。約1500万年前の火山活動で泥岩の地層に流紋岩が入り込み、やわらかい泥岩だけが波に削られて硬い岩が柱のように残った。国の名勝・天然記念物で、吉野熊野国立公園に含まれる。弘法大師が天の邪鬼と賭けをして一晩で橋を架けようとし、鶏の鳴きまねに騙されて橋杭だけが残ったという伝説がある。

    出典: ja.wikipedia.org

  • さんま寿司

    さんま寿司

    和歌山県南部に伝わる郷土料理。腹開きにしたさんまを塩と酢で締め、棒状のすし飯にのせて形を整える。米と魚の保存食として発展し、秋祭りや正月、船の進水祝いなど人が集まる日のごちそうだった。締め酢に柚子やだいだいを搾ると、さっぱりと食べられる。熊野灘のさんまは身が引き締まり、すしに向くという。今回のものは「ゆず入」で、道の駅で買った。

    出典: maff.go.jp

  • おざきのひもの(まぐろの干物)

    おざきのひもの(まぐろの干物)

    串本町にある創業70年以上の干物店の品。和歌山近海で獲れた魚や、全国から選んだ魚を、職人が一枚ずつ手開きで加工している。道の駅で「那智勝浦のまぐろ」の干物を買い、夕食に焼き網で炙った。

    出典: ozakinohimono.com gendai.media

  • くしもとぽんかんジュース

    くしもとぽんかんジュース

    串本町の姫地区と伊串地区のポンカン生産者でつくる重ね山果樹生産加工組合のジュース。串本産ポンカンの果汁100%のストレート。組合は約50年前からポンカンを育て、皮が青いものや傷のあるものなど生果として売りにくい果実を、約20年前からジュースにしている。

    出典: maff.go.jp

  • 龍馬1865

    龍馬1865

    日本ビールのノンアルコールビール。麦芽とホップと炭酸だけで造られ、添加物不使用の麦芽100%。アルコール分は0.00%。缶には、坂本龍馬が長崎で商社を興し、初めてビールを飲んだ年が1865年といわれると書かれている。

    出典: nipponbeer.jp

  • 森の中の古民家

    森の中の古民家

    今回お借りしたのは、森の中に建つ築60年ほどの古民家。縁側から庭の緑を眺められ、すぐそばに清流が流れる。屋外には山の水を受ける桶と、丸い鏡の洗面台。庭には野生のアナグマも現れた。

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01本州最南端の町、森の家の朝

02黒潮の鰹で、鰹茶漬けを

03緑に囲まれた朝ごはん

04別の世界のような暮らし

05川沿いの散歩

06可愛い田並劇場

07世界最北のサンゴの海を映す水族館

08潜水艦のような海中展望塔

09海を見ながら、瀬戸内レモンケーキ

10本州最南端と、トルコとの絆

11地魚と柑橘と、さんま寿司

12ただいま、おかえり

13夕暮れの橋杭岩と、串本町まんぞくディナー

14初めて出会う美味しさ